こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
売上げが下がってくると、『どうすれば売上げが上がるだろうか?』と、いきなり手段を考えてしまう社長さんが多いです。
しかし、それは、『良い結果につながる原因』が分かっている場合に限ります。
もしも、そうでないなら、まず、『良い結果につながる原因』をハッキリさせることが先決です。
そのための簡単な方法が、『売上げの分解』になります。
『売上の分解』とは、『売上げは、どんな要素の組み合わせでできているのか?』を、確かめることです。
最も有名な分解は、次のような式で表されるでしょう。
◆(1)『売上げ=客数 × 客単価』
この式で、『良い結果につながる原因』を見つけるのですが、『社長さんの決断』という視点で見ると、その前に確認しておくことがあるのです。
それを示したものが、次の式になります。
◆(2)『売上げ=生産効率 × コスト』
この式で言う『生産効率』とは、『売上げ÷コスト』のことです。
意味は、『効率よく売上げを上げるコストパフォーマンス』のことを言います。
ここを意識して、『高い要素にコストを多く掛ける』と決断するのです。
これをハッキリさせることが、『社長さんの決断』で、ここは社長さんしかできません。
しかし、ここが曖昧だと、コストをムダに使ってしまうので、コストを掛けた割に売上げが上がらない結果になってしまいます。
つまり、コストはただ単にダウンさせるのではなく、必要な要素にはコストアップさせる決断が求められるのです。
その時の判断は、次の2つがあげられます。
◆(A)『売上げに影響を与えるコストをアップさせる』
◆(B)『売上に影響を与えないコストをダウンさせる』
このようにして、(2)の『売上げ=生産効率 × コスト』で、効率よくコストを掛ける決断ができたら、(1)の『売上げ=客数 × 客単価』の分解を行います。
これは、現状のお店の中から事例を探し出すのがコツです。
やり方は、『客数が増えて売上げがあがっている事例』や『客単価が増えて売上げが上がっている事例』を見つけ出します。
そして、その事例は、具体的には、『なぜそうなったのか?』の原因を調べるのです。
そうすると、『良い結果につながる原因』がハッキリし出します。
そうしたら、それ原因を解消する手段をテスト的にやってみて、良い結果が再現できたら、コストを掛けて本格的に広げるのです。
そうすると、売上げアップの方向性が見え来るでしょう。
今回のポイントは、『何をやればいいのか?』を見つけ出したら、『それに、どれだけのコストを掛ければいいのか?』を決断することになります。
コストの決断が甘いと、折角のチャンスを逃すことを理解して下さいね。
もちろん、この時の決断は、必ず上手く行く保証は少ないでしょう。
だから、『社長さんの決断』が重要なのです。
このような決断は、売上げが下がって来た時こそ求められます。
このことを忘れないで下さいね。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則