こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
先日のブログ記事、『 お客さんに信用してもらうための無料サービスと有料サービスとは? 』で、お客さんに信用してもらうには、次の2つが必要と書きました。
◆(A)『無料サービスをやり続けること』
◆(B)『有料サービスを約束して守ること』
ポイントは、(A)の『誰でもできることを、誰でもできないくらい、本気でやり続けること』と、(B)の『誰でもできないことを、有料ならできるとハッキリ伝えること』と言いました。
その上で、『どのように接すればいいのか?』が大切です。
今回は、クリーニング店さんの事例で、接し方の説明してみますね。
店舗での接客の大きな流れは、次の2つです。
◆(1)『お預かり時の検品』
◆(2)『お渡し時の検品』
ここで言う、『検品』とは、基本的に衣類等をチェックすることになりますが、それだけではありません。
まず、(1)の『お預かり時の検品』から見て行きます。
◆(1-a)『商品サービスで関わるために、値決めをする検品』
最初は、衣類等のシミや汚れ、素材の種類や破れなど、現状の不具合を調べることから始めます。
例えば、衣類にシミがあった場合は、
・『こんなところにシミがありますが、どうされたのですか?』
とお客さんに、『現状のシミ』について問い掛けるのです。
この問い掛けが、信用してもらう上でとても重要になります。
なぜなら、『現状の衣類にシミがある』ということは、『お客さんが、何らかの事情でシミを付けた』ということです。
これを、お客さんの口から言葉として話してもらいます。
こうすることで、『お客さん自身にも責任があること』を自覚してもらうことができるでしょう。
お客さんが、ここを自覚すると、極端な話、『このシミ取れ!』の命令口調から、『このシミを取って下さい』のお願い口調に変わります。
しかし、多くの場合、『現状のシミや汚れ』に対して、何も問い掛けしていません。
だから、『取れて、当たり前』、『取れないと、苦情』となって信用されなくなるのです。
たった一言、『どうされたのですか?』と問い掛けるか問い掛けないかだけで、変わってしまいます。
◆(1-b)『お客さんの感覚を確認する検品』
衣類は、単に着れたらいいだけではありません。
『着た時のお客さんの感覚』がとても重要です。
だから、そこを共感しながら確認します。
例えば、衣類を触りながら、
・『とても手触りがいいですね』
・『とても大切に着られていますね』
などと、共感するのです。
そうすると、そのことがきっかけで、お客さんから、
・『そうなの、これとても気に入ってるの!』
・『この間も、こんな所に着て行ったの!』
とお客さんがお話されることも多いです。
このようにお客さんがお話されたら、相槌やうなづきを入れながら、最後までしっかり聞いてあげましょう。
その上で、
・『なるほど、そうなんですね』
と、うなづきなから相槌を打った後、
・『このようなところが気になるようでしたら、こんなことをすると安心ですよ』
・『こんなことをしておくと、こんなことがあっても大丈夫ですよ』
と、こちらができることを、自信を持って伝えます。
そして、最後に、
・『どうされますか?』
と、自由に選べるように聞いてあげるのです。
このように聞くと、決めることも断ることもできるので、気持ちの負担が少なくなります。
もしも、断られたとしても、『ありがとうございます』と必ず感謝しましょう。
なぜなら、こちらの提案を考えてもらって、決断してもらったからです。
こうして、お客さんから依頼された衣類を、約束通りに仕上げた後は、
(2)の『お渡し時の検品』です。
◆(2-a)『お客さんに不良を届けない検品』
お客さんにお渡しする前に、衣類にシミや汚れ、シワや二重線、割れや破れなどの不具合がないか、しっかりチェックします。
ここも大切で、信用されるか信用されないか、この検品で決まると言っても過言ではありません。
なぜなら、お客さんに届ける前なら、まだお店でやり直すチャンスがあるからです。
このようにして、しっかり確認をした上で、
◆(2-b)『キレイに着てもらう検品』
これをするかしないかも、信用されるか信用されないかの差が出ます。
例えば、
・『こんなにキレイになっていますよ!』
・『とても素敵ですね!』
とお預かり時のシミや汚れがキレイになっていることを、お客さんと一緒に確認しながら、お客さんの『キレイに着たい』を共有するのです。
そうすると、お客さんは、『このお店は、しっかり約束を守ってくれる』という記憶が残ります。
これを繰り返せば、『このお店なら、安心!』、『あのスタッフさんなら、大丈夫!』となるのです。
さらに、『次回来店の目安』を伝えます。
例えば、
・『〇回使ったら持って来て下さいね!』
このフレーズは勇気がいりますが、『キレイに着てもらう』ためには、欠かせません。
なぜなら、それ以上着続けると、全体のラインが崩れたり、変なところにシワが入ったりして、キレイに着れなくなるからです。
だから、勇気を出して必ず伝えましょう。
これらをすると、お客さんに信用されながら、必要と感じてもらえます。
今回は、クリーニング店さんの事例で説明しましたが、他の業種でも応用できるところも多いはずです。
どうでしょうか?
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則