こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
お客さんがお店を選ぶ時、無意識に次の2つの条件でお店を選んでいます。
それは、
◆(A)『目に見えるもの』・・・例えば、商品や価格
◆(B)『目に見えないもの』・・・例えば、期待や信用
この2つの条件です。
昔は、(A)の『目に見えるもの』である商品や価格で、選ぶことが多かったでしょう。
なぜなら、『みんなと同じものを求めたい』という願望が強かったからです。
価格においては、できれば『みんなより高いものを求めたい』と思っています。
そして、『みんなと同じものであれば、より安いものを求めたい』と考えていたのです
その基準となるのが、『目に見えるもの』でした。
ところが、今は、(B)の『目に見えないもの』である期待や信用で、選ぶように変わって来たのです。
なぜ、そうのように変わってしまったのでしょうか?
一番の原因は、情報量の違いです。
昔と今では、情報量が何百倍、何千倍と違っています。
そのため、一人ひとりの個性が強くなり、『みんなと同じものを求めたい』という願望よりも、『自分の理想に合った自分だけのものを求めたい』と願うことが強くなって来たからです。
そうなると、『自分だけが求めるものを叶えて欲しい』という期待を持つようになります。
そして、それを実現してもらえる実力を持ってそうなお店を選ぶようになって来たのです。
だから、しっかりとした結果を出していたり、事前の約束をしっかり守ってもらえそうな信用できるお店の情報を探すようになって来ました。
ここで言う、『期待』や『実力』、『約束』や『信用』は、どれも『目に見えないもの』ばかりです。
しかし、『目に見えないもの』を情報として伝えるのは、とても難しいことになります。
それでも、ここが刺激されないと、今のお客さんの心に刺さらない情報になってしまうのです。
だから、昔は、『お客様の声』や『実績事例』をお知らせするだけで良かったのですが、今は、『もっとリアルな動画』を配信したり、『ちょっとした日常の出来事』を正直に投稿したりする必要があります。
それらの情報の中から、このお店は、『期待できそう』、『実力がありそう』、『約束してくれるかも』、『信頼できるかも』と思ってもらわなければいけないのです。
つまり、『当店には、こんな実力がある!』と言うよりも、『このお店、何か実力がありそう!』とお客さんに思ってもらわなければ選ばれないと言えます。
また、『ここは、信用できるかも!』と思ってもらうには、例えば、次の3つをやって欲しいですね。
◆(1)『お客さんにウソをつかない』
◆(2)『お客さんに感謝・感動される』
◆(3)『いつも誠実に共感する』
この3つを繰り返しやり続けると、『ここは、信用できるかも!』と思ってもらえます。
そうすると、その安心感や信頼感から、『次回もここに来よう!』となるのです。
(A)の『目に見える商品や価格』は大切になります。
しかし、これからは、(B)の『目に見えない期待や信用』が、もっと大切になります。
極端なことを言えば、(B)を持ってもらえさえしたら、(A)は今までと違うものでも、『あなたが言うのなら、試してみるわ!』と、なりやすいです。
2021年は、通信基準の『5G』が本格的にスタートします。
そうなると、ますます、『目に見えないもの』の重要性が増して来るはずです。
どうか、乗り遅れないようにして下さいね。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則