こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
先日のブログ記事、『 お客さんの個別化で、考えなければいけないこと! 』で、『お客さん一人ひとりが持つ特別な事情を聞き取ることが大切だ』と書きました。
では、実際にどうやって聞き取ればいいのでしょうか?
その前に、聞き取る時に注意しなければいけないことがあります。
それは、ズバリ、『尋問にならないこと』です。
『自分が聞きたいこと』を質問すると、どうしても『尋問』になってしまいます。
そうではなく、『相手が話したいこと』を質問で聞き取るのです。
通常、『尋問の流れ』は、次のようになります。
例えば、
→こちらの質問 『なぜ、こんなことをしたのですか?』
◆相手の答え 『これを手に入れたかったからです』
→こちらの質問 『なぜ、これを手に入れたかったのですか?』
◆相手の答え 『それは・・・』
『こちらの質問』→『相手の答え』→『こちらの質問』→『相手の答え』・・・、この流れの繰り返しです。
こんな感じで、こちらが納得するまで、この流れが続きます。
これが、『刑事ドラマ』なら、これでもいいかもしれません。
しかし、これを仕事上でされたら、正直イヤになります。
では、どうやれば、『尋問』にならないのでしょうか?
それは、実に簡単で、質問と質問の間で、『共感』すればいいのです。
『共感』を入れた流れは、次のようになります。
『こちらの質問』→『相手の答え』→『相手に共感』→『こちらの質問』→『相手の答え』→『相手に共感』・・・、この流れの繰り返しです。
具体的には、次のようになります。
例えば、太り過ぎで悩んでいるお客さんの場合
→相手に共感 『太り過ぎで悩んでいるんですね』 ◆(はい)
→こちらの質問 『どうして、太ってしまったんですか?』
◆相手の答え 『おそらく、食べ過ぎだと思います』
→相手に共感 『なるほど、食べることが好きなんですね』 ◆(はい)
→こちらの質問 『太り過ぎ対策を、今まで何かやって来ましたか?』
◆相手の答え 『食べる量をできるだけ減らすようにしました』
→相手に共感 『すごいですね』
→こちらの質問 『どれくらい続いたのですか?』
◆相手の答え 『それが、1週間でダメでした』
→相手に共感 『あぁ~、食べることが好きだから、辛かったでしょう』 ◆(はい)
→こちらの質問 『なぜ、続かなかったと思いますか?』
◆相手の答え 『食べることを我慢することが、ストレスになってしまったからだと思います』
→相手に共感 『なるほど、ストレスが溜まってイライラして来たんですね』 ◆(はい)
→こちらの質問 『ではどんなやり方なら、続けられそうですか?』
◆相手の答え 『好きな食事を我慢せず、ダイエットができるならいいんですけど・・・』
→相手に共感 『好きな食事を我慢しなければ、できそうなんですね』 ◆(はい)
→こちらの質問 『もしも、我慢しなくても大丈夫なやり方があるとしたら、興味はありますか?』
◆相手の答え 『はい、そんなやり方があるのなら、ぜひやってみたいです』
→相手に共感 『実は、そんなやり方があるんですよ』 ◆(えっ!)
こんな感じで、この後、『どうやればできるのか?』を伝えて、最後に行動を促して行きます。
どうでしょうか?
こんな感じで聞き取れば、『尋問』にならずに聞き取れると思いませんか?
たった、『相手に共感』するだけでいいのです。
それと共感する時に、『相槌』を打つとさらに効果的になります。
『なるほど』と言う時に、ちょっとオーバー目な『うなづき』をするのです。
ひょっとしたら、文章では伝わりにくいかもしれませんが、実際にやってみると分かります。
これらを、最初は意識してやってみて下さい。
そのうち無意識にできるようになるはずです。
お試しを!
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則