こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
今年、『三菱商事』を抜いて商社トップになった、『伊藤忠商事』。
2010年に就任した岡藤社長の応接室には、『か・け・ふ』という経営標語が揚げられているらしいです。
『か・け・ふ』とは、『稼ぐ』、『削る』、『防ぐ』の頭文字を取ったものになります。
この3つは、商いの原理原則でもあるのです。
『稼ぐ』とは、『得を稼ぐこと』で、売上げや粗利益などを稼ぐことを意味します。
◆『どこで売れるだろうか?』
◆『何が売れるだろうか?』
◆『どう工夫すれば売れるだろうか?』など
今までは、これらのポイントを押さえている企業が強い企業と言われていました。
『削る』とは、『無駄を削ること』で、ポイントは次の項目を見ることです。
◆『余計なお金』
◆『無駄な時間』
◆『不要な人手』など
これらを削ることを意味します。
これは、商いをする上での土台となるため、多過ぎてもダメですし、少な過ぎてもダメなので、ただ削ればいいというものでもありません。
『防ぐ』とは、『損を防ぐこと』で、『新規に得を稼ぎ出すこと』だけでなく、『既存の損を防ぐこと』も大切であることを意味します。
先行きが不透明な今は、この『防ぐ』が、より一層重視されていることでしょう。
そういう意味では、今は、『防ぐ』を一番に選択する企業が強い企業と言えそうです。
この『か・け・ふ』は、『商いの原理原則』なので、これらを『小さなお店の経営』にも応用できます。
『小さなお店の経営』の場合、最初に考えることは、『稼ぐ』よりも、『削る』と『防ぐ』ことではないでしょうか?
なぜなら、いきなり『稼ぐ』ことを考えてしまうと、『お金』や『人手』が多くかかるので、どうしても採算が取りづらくなるからです。
それよりも、まず『削る』ことから考えましょう。
『余計なお金』、『無駄な時間』、『余分な人手』などは、ないだろうか?
ここを考えます。
ポイントは、『当たり前を疑うこと』です。
当たり前に行っていることでも、『なぜ、これをやっているのか?』、やっている理由をもう一度見直して、『削るきっかけ』を探しましょう。
次に、『防ぐ』ことを考えます。
ポイントは、『機会損失を探すこと』です。
すでに利用されているお客さんが、
◆『もっと利用できるチャンスを逃していないか?』
◆『もっと喜ばれるメニューを提案し損なっていないか?』
など、『リピート回数』や『客単価』を見直します。
この2つを見直した上で、『稼ぐ』ことを見直しても遅くはないはずです。
最初は、『か・け・ふ』、『か・け・ふ』と唱えることから始めてもいいので、まず意識してやりましょう。
そうすると、そのうち無意識にできるようになりますよ!
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則