こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
お店の業績アップを考える場合、スタッフさんと良い関係性を作ることが大切になります。
そのためには、『共感』と『理解』が必要です。
◆『共感』とは、『何となく、面倒くさい』と感じているスタッフさんの感情を、『そうなんだ』、『そう感じているんだ』と、こちらが受け止めてあげることを言います。
◆『理解』とは、『それなら、仕方がない』と、スタッフさんに、こちらが考えていることを納得してもらえるように、言葉でハッキリさせることです。
このように、『共感』と『理解』を意味付けたとして、次のようなスタッフさんがいたとしたら、あなたは、どのスタッフさんと良い関係性が持てるでしょうか?
◆(A)『こちらがやって欲しいことに、共感し、理解して、感謝してくれるスタッフさん』
◆(B)『こちらがやって欲しいことが、共感できなくても、理解し、努力してくれるスタッフさん』
◆(C)『こちらがやって欲しいことを、共感しないし、理解もせず、文句ばかり言うスタッフさん』
どうでしょうか?
おそらく、(A)のスタッフさんとは、良い関係性が持てるでしょう。
また、(C)スタッフさんとは、良い関係性が持てないことが分かります。
しかし、このような(A)と(C)のスタッフさんは、意外と少ないです。
ほとんどが、(B)のスタッフさんのはずだと思います。
(B)のスタッフさんは、理解し、努力してくれるので、一見何も問題なさそうに見えるかもしれません。
しかし、実は、『共感できない』という大きな問題が隠れているのです。
共感できないことでもやっているのは、『指示されたこと』だけやればいいと考えています。
それは、『お金のために、仕方がない』と割り切っているからです。
この発想は、同じことをいつも同じようにやり続ける『作業』の仕事なら、まだいいでしょう。
しかし、1人ひとりのお客さんに対応しなければいけない『接客』が伴う仕事では、これでは上手く行きません。
なぜなら、お店として、『こちらがやって欲しいこと』の多くは、『お客さんと良い関係性を持って欲しいこと』だからです。
このことを、ただ『何となく、面倒くさい』と感じていては、お客さんに見透かされてしまいます。
そんなスタッフさんに、お客さんは良い関係性を持とうとしません。
では、どうして(B)のスタッフさんは、こちらと『共感できない』のでしょうか?
一番の原因は、こちらが先に『共感してあげない』からです。
例えば、もしも(B)のスタッフさんが、何かで失敗したとします。
その時、
◆『どうして失敗したんだ』と、いきなり叱ってしまう人
◆『次も同じ失敗を繰り返さないように』と、アドバイスする人
◆『こいつはダメだ』と、無視する人
この人達に、(B)のスタッフさんは共感しません。
理由は、内容の違いはありますが、どれもスタッフさんを、『否定している』からです。
このような(B)のスタッフさんが、共感するのは、次のような人になります。
◆『どうしたの?』、『何かあったの?』と、まず(B)のスタッフさんの話を最後まで聞いてくれる人
そして、
◆『どんなことがあったのか』を、1つひとつ『そうなんだ』、『そんなことがあったんだ』と確認してくれる人
◆『どうしたらいいと、思っているの?』と、優しく聞いてくれる人
このような人に、共感するのです。
どうか、『スタッフさんが共感してくれないのは、こちらが共感していないから』ということを、忘れないでくださいね。
ここが意識できると、(B)のスタッフさんが、(A)のスタッフさんにだんだん変わり出します。
そうなると、『こちらがやって欲しいこと』を、積極的にやってもらえるようになり、業績アップにつながって行くのです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則