こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
商品にはその性質で、次の3つに分けられます。
それは、
◆(A)『何度も繰り返し買われる日常で必要な商品』
◆(B)『買う前に品質や価格、商品の特徴などをよく比較する商品』
◆(C)『使う用途にこだわり、買うまでに十分な時間をかける商品』
この3つを専門用語で言うと、(A)が『最寄品』、(B)が『買回品』、(C)が『専門品』です。
これらの商品を売るスタッフさんは、それぞれの商品に合わせた売り方を行っています。
例えば、(A)の商品を売る場合は、『ただ黙って商品が売れるのを待つ』のです。
これは、お客さんがいつも使っている定番の商品を買うだけだから、同じ商品を再び買うのをただ待って見ているだけでかまいません。
しかし、(B)の商品や(C)の商品を売る場合は、ただ黙っているだけではいけないのです。
そこで、多くのスタッフさんがやってしまう間違いは、『いきなり商品の説明をしてしまうこと』になります。
確かに、(B)の商品を求めるお客さんは、色々な商品の情報を比較しているので、ついつい商品の説明をしてしまうのです。
また、(C)の商品を求めているお客さんも、商品を使うこだわりから、詳しい情報を欲しがっているので、商品の説明を求めて来ます。
しかし、それでも、いきなり商品の説明をしてはいけないのです。
では、どうすればいいのでしょうか?
それは、
◆『ただ黙って、お客さんの話を聞くこと』です。
そのためには、お客さんが話しやすくなるような質問が大切になります。
例えば、
◆『今日は、どのようなことで、お店に来られましたか?』と、来店のきっかけとなる話を聞くのです。
そして、
◆『なるほど、〇〇を探しに来られたんですね』と、共感します。
その上で、
◆『今、どんなことが気になっているのですか?』と、気になっていることを話してもらうのです。
さらに、
◆『そうなんですね、〇〇が気になるのですね』と共感しながら、
◆『それは、どんなシーンやタイミングで気になりますか?』と、さらに深く聞きます。
その上で、
◆『どんな良いイメージになればいいとお考えですか?』と、お客さんが求めている理想の姿まで聞き出せば、さらに良いですね。
簡単にやり取りを書きましたが、実際はその時その時の話の流れで変わって来ます。
しかし、『ただ黙って、お客さんの話を聞くこと』に徹していれば、お客さんが求める内容の商品が、だんだん見えて来るのです。
その上で、お客さんにピッタリ合った商品を自信を持って、おすすめします。
そうすると、お客さんは、こちらのおすすめを受け入れてもらいやすくなるでしょう。
なぜなら、お客さんが求めている内容を、共感しながら共有してくれているプロのおすすめだからです。
つまり、(A)の商品を売る場合は、『ただ黙って待つこと』
(B)や(C)の商品を売る場合は、『ただ黙って話を聞くこと』
これが、基本です。
どうでしょうか?
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則