こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
お客さんは、ほとんど『気分』と『感情』で行動しています。
そんな『気分』と『感情』は、似ているようで違うものなのです。
一番の違いは、内側か外側かの違いになります。
どういうことかと言うと、
◆『気分』とは、内への気持ちの思い込みです。
内への自分勝手な思い込みのため、『ワクワク気分なのか?』、『イライラ気分なのか?』、他人には見えないので、なかなか分かり辛いらないのが特徴でしょう。
◆一方、『感情』とは、外への気持ちの表れです。
外からの刺激で反応する表れなので、先程の『気分』と違い、『感情』は、表情や態度などに現れやすく、喜怒哀楽など、他人から分かりやすいのが特徴でしょう。
例えば、『ワクワク気分』だけでは分かりませんが、『笑顔で、はしゃいでいる』と、喜んでいることが分かります。
また、『イライラ気分』だけでは分かりませんが、『暗い顔で、つんけんしている』と、怒っているのが分かるのです。
このような特徴を踏まえて、『気分』や『感情』にアプローチすると、お客さんに行動してもらいやすくなります。
そのためには、次の2つが大切です。
それは、
◆(A)気分を良くするには、『お客さんの存在を認めること』
◆(B)感情を刺激するには、『お客さんに現実味を感じてもらうこと』
この2つです。
それぞれ3つの具体例を示しますね。
まずは、気分を良くする『お客さんの存在を認める具体例』から、
◆(A-1)『笑顔、名前、挨拶』
例えば、
『目を見て、にっこり笑顔で、〇〇さん、こんにちは!』と言うことで、お客さんの存在を認めたことにより、気分が良くなります。
これの反対は、『よそ見しながら、不愛想に、いらっしゃいませ!』です。
どうでしょうか?
何か、自分の存在を否定された気がしませんか?
しかし、結構、このようなお迎えが当たり前になっています。
だから、『笑顔、名前、挨拶』をされると、気分が良くなり、効果的なのです。
◆(A-2)『認める、ほめる、大切にする』
例えば、
『なるほど』、『そうですね』、
『それはいいですね』、『すごいですね』、『素晴らしいですね』
と共感しながら、ほめることで、気分が良くなります。
これは、このように一切否定せずに受け止められると、嬉しいからです。
反対に、
『でも・・・』
『しかし・・・』
『そうは言っても・・・』
など、否定につながる接続詞で受け止めると、イヤな気分になります。
◆(A-3)『感謝、お礼を言う』
例えば、
『〇〇さん、ありがとうございます』
『お陰様で、助かりました』
『とても嬉しいです』
など、お客さんにやってもらったことに対して、感謝の気持ちをすぐに伝えることで、『良いことをした』とお客さんは満足されて、気分が良くなります。
(A)の内容は、やろうと思えば、どれも簡単にできることばかりです。
このようなことで、『気分』を良くしてもらってから、(B)でメリハリをつけながら、『感情』を刺激しましょう。
そのためには、お客さんのお話を最後まで聞いた上で、
◆(B-1)『ターゲットのメリハリ』
『感情』を刺激する時に、まず考えることは、『誰を刺激するのか?』をハッキリさせることです。
例えば、
『こんなことで困っているお客さんに』
『実は、こんな原因で困っています』
『しかし、ほとんどの方がそれに気付いていません』
こんな感じで、『ターゲットのメリハリ』をつけると、より一層自分事に感じるので、刺激されるのです。
◆(B-2)『変化のメリハリ』
例えば、
『こんな悩みが、こんな結果になった』
『ビフォー写真→アフター写真』
『こんなお客さんの喜びの声』
など、『どんな変化になったのか?』を刺激するのです。
この変化が大きいほど、大きな感情の刺激になります。
◆(B-3)『視覚のメリハリ』
『感情』を刺激する上で、一番刺激されやすい感覚は、『視覚』です。
だから、先程の写真を使うことはとても効果的になります。
写真以外で効果的なのは、『現物訴求』です。
現物なので、手に触って確認できるので、『触覚』も刺激されます。
それと、『メッセージボード』による『言語化』も、言葉ですが視覚を刺激するでしょう。
このような、『気分』や『感情』へのアプローチを意識してお客さんに伝えると、お客さんは、こちらが思っているような行動を取ってもらえるのです。
しかし、このことが全く分かっていないと、ただ商品を売り込んでしまいます。
結果、お客さんに嫌われて買ってもらえないのです。
お客さんの『気分』や『感情』を、ちょっと意識して下さい。
きっと良い結果につながりますよ!
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則