こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
理容室さんの『シニア割引き』に関する気になる店頭看板の事例を紹介します。
【現状の店頭看板の書き方】
【コメント】
理容室さんが、『シニア割引き』をお知らせしている店頭看板です。
今は、少子高齢化で、お金を使う若者世代が減り、人口に4人に1人がシニアさんと言われています。
しかも、おしゃれを気にしている若者世代は美容室へ、早くて安いを望むシニアさんは1000円代カット店へという流れです。
『シニア割引き』は、この流れを防ぐ狙いがあると思います。
しかし、ただ単に割引きだけでは、1000円代カット店にはかないません。
では、どうすればいいのでしょうか?
ちょっと変更すると、もっとよくなるポイントを、下の流れで説明していきます。
『>』が原文。
『→』が説明文。
『◆』が変更文。
【現状看板の文章】
>シニア割引 はじめました。
>※70才以上の方限定
>平日の9:00~12:00は
>カットがお得に!
>¥3850→¥3080
>・平日の12:00までに入店してください
>・予約もできます
>・平日カラー会員を一緒にご利用
>される時には予約できません
→まずは、『どんなシニアの方に来て欲しいのか?』で呼び掛けます。
→例えば、『年齢を重ねてもおしゃれを楽しみたいあなたに』とするのは、どうでしょうか?
→このように、『誰に呼び掛けるのか?』をハッキリ決めれば、先程の『早くて安いを望むシニアさん』以外の人が、興味を持ちます。
→そうしたら、その人が困っていることで、問い掛けてあげるのです。
→例えば、『どんな髪型にすればいいか迷っていませんか?』とします。
→この問い掛けで、『そうそう、そうなのよ!』と思ってもらえれば、こちらができるサービスを伝えるのです。
→『このサービスを望むシニアのお客さん』は、来店してもらいやすくなります。
→この後、『シニア割引き』のことを伝えて、最後は行動を促しましょう。
【変更後看板の文章】
<例えば>
◆店頭看板の事例(理容室のシニア割引き)
いあなたに
どんな髪型にすればいいか迷ってい
ませんか?
当店では世代によって出て来る悩み
に応えながら、シニアに似合う髪型
をご紹介しています。
今なら70歳以上の方にシニア割引
き実施中です。
平日9:00~12:00に入店で
カット料金¥3850→¥3080
いつもの髪型に飽きたら、ぜひこち
らまで! ご予約もできますよ!
『店名』『電話番号』『営業時間』
【今回のポイント】
→『割引き情報』だけでなく、『誰に、何ができるサービスがあるのか?』を伝えることが今回のポイントです。
→そうしないと、価格だけの『1000円代カット店』には、負けてしまいます。
→そうならないように、伝える相手を絞って、価値を伝えるのです。
→そうすると、それを望むお客さんは、興味を持ってもらえます。
→それと、カット料金を『シニア割引き』しても、ほとんどのシニアさんは、『カラー』をされるので、客単価はそんなに下がりません。
→ポイントは、みんなが『早くて安いを望むシニアさん』ではないと言うことです。
→そんなシニアさんに、あなたのお店ができる価値を伝えて下さいね。
こんな感じです。
店頭看板の書き方はいろいろあります。
納得のいくところだけ、採用いただければありがたいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則