こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
値上げや客単価を上げる時に、考えなければいけないことがあります。
それは、それに見合う価値を高めることです。
価値には、次の2つがあります。
◆(A)『商品そのものの価値』
◆(B)『お客さんが感じる価値』
まず、(A)の『商品そのものの価値』は大切です。
これがないと、お客さんに価値を届けられません。
だから、(A)の価値は、たえず向上する必要があるのです。
しかし、これには時間とお金がかかることが多いでしょう。
そのため、ある程度、計画的に行う必要があります。
なぜなら、そこまで待てないお客さんに飽きられてしまうからです。
そこを補うのが、(B)の『お客さんが感じる価値』になります。
『お客さんが感じる価値』とは、文字通り、現場でお客さんがリアルに感じる良さです。
『感じる価値』なので、今ある商品に、感覚や感情が良くなることを、プラスします。
『感じる価値』のレベルは、次の3つです。
それは、
◆(1)『処理レベル』
◆(2)『満足レベル』
◆(3)『感動レベル』
(1)の『処理レベル』とは、お客さんが、『それくらい当たり前』と思うレベルになります。
そのため感じる価値は低いです。
その分、どこでも提供できるレベルでかまいません。
例えば、それを『レベル1』とします。
次に、(2)の『満足レベル』とは、お客さんが事前に期待していることを提供して、『これなら満足』と感じるレベルです。
感じる価値は、(1)より2倍高く、『レベル2』になります。
『満足レベル』は価値があるため、良い感覚や良い感情を持ってもらいやすいです。
しかし、すぐ忘れてしまう欠点があります。
そのため、お店ではとても満足してもらったのに、『次回の来店がない』場合などは、この『満足レベル』止まりだったと言うことです。
では、(3)の『感動レベル』とは、一体どんな状態でしょうか?
それは、お客さんが事前に期待していることを超える提供をして、『えっ、こんなことができるの!』と、ビックリされるレベルです。
このような状態になると、『こんなお店は他にない!』となるので、強く記憶され、次回もまた来店してもらえます。
つまり、思ってもみなかった結果が出たことで、お客さんの今までの解釈が変わったことを意味するのです。
なので、感じる価値は、(1)より10倍高く、『レベル10』となります。
再度、感じる価値を比較すると、
(1)の『処理レベル』が1倍
(2)の『満足レベル』が2倍
(3)の『感動レベル』が10倍
このような価値の比較になりますが、これは価格の比較でもあるのです。
つまり、この倍率で価格を付けることができます。
では、あなたのお店に、お客さんが感動するレベルの商品はあるでしょうか?
もしも、あるとすれば、その商品の価格は、『処理レベル』の10倍以上の価格になっているでしょうか?
また、もしも、感動するレベルの商品がないとしたら、何をプラスすればそのような商品になるでしょうか?
一度を考えてみて下さい。
ちなみに、この『感動レベル』の商品は、一部のお客さんに利用してもらうだけで十分と言えます。
なぜなら、それがあるだけで、お店の格が上がるからです。
そうすると、他の商品の価値も上がります。
どうでしょうか?
この考え方をしっかり持って下さい。
そうしないと、お客さんが次回、来店されるかどうか分からないお店となってしまうでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則