こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
『こんな問題があるので、解決するには、どうすればいいでしょうか?』と、社長さんから聞かれることがあります。
しかし、この質問には答えられません。
なぜなら、『どのように答えればいいのか?』、方向性がハッキリしないからです。
例えば、プライベートの場合で考えてみましょう。
次のような質問をされたら、あなたなら、どのように答えるでしょうか?
質問:『退屈なので、どこかへ行って遊ぶには、どうすればいいでしょうか?』
このような質問をされたら、逆に、次のような質問をするはずです。
逆質問(1):『どこへ、遊びに行きたいのですか?』
逆質問(2):『そこで、何がしたいのですか?』
どうでしょうか?
仕事の場合も同じだと思います。
この時、重要な要素は、次の2つです。
◆(A)『ゴール地点』
◆(B)『スタート地点』
(A)の『ゴール地点』が、どこかハッキリしないと、向かうべき方向が分からないので、答えられません。
また、『今、どこにいて、どんな状況なのか?』、(B)の『スタート地点』も必要です。
(A)の『ゴール地点』と(B)の『スタート地点』がハッキリすると、その間の『ギャップ』が分かります。
この『ギャップ』が分かれば、やり方を考えることは簡単です。
なので、『ゴール地点』を決めることは、とても重要になります。
『ゴール地点』を決めない方の言い分は、『いくらゴール地点を決めても、到達できないことが多いので、決める意味がない』です。
しかし、『ゴール地点』に到達するか、しないかは、単に『時間の問題』になります。
例えば、1年後なのか、10年後なのか、極端な話100年後かもしれません。
通常、『ゴール地点』は、遠い方が良いと言われます。
なぜなら、すぐに到達しなくても、方向性がブレにくくなるので、判断がしやすくなるからです。
組織で何かを達成する場合は、特に大切になります。
例えば、一見、みんながバラバラの方向に進んでいるように見えても、『ゴール地点』が決まっていたら大丈夫です。
事情があって、今は全く違う方向に進んでいても、『本来の進むべき地点』を共有していると、最終的には、同じ『ゴール地点』に到達できます。
つまり、『ゴール地点』が決まっていると、そこから逆算して、考えることができるのです。
そうすると、『スタート地点』から離れても、『今の地点』で考えることができます。
これを繰り返すことで、『ゴール地点』に辿りつくのです。
しかし、『ゴール地点』が決まっていなければ、『スタート地点』からの延長線上で考えなければいけません。
そうすると、向かう方向は、『360度』あり、どこへでも行けます。
そのため、みんながそれぞれバラバラに、好き勝手に進むのです。
例え、それぞれが『正しいこと』していたとしても、全体的にはバラバラな動きになります。
冒頭の『こんな問題があるので、解決するには、どうすればいいでしょうか?』という質問は、『スタート地点』からの延長線上の考え方です。
そうではなく、『ゴール地点』を決めて逆算する考え方をしなければいけません。
そのためには、『どこへ行きたいのか?』、『本当は、何がしたいのか?』を決めることが先決です。
そして、『スタート地点』に戻って、『今、何がギャップなのか?』、『ギャップを埋めるには、今、何が必要なのか?』を考えます。
その上で、『何を、どうすればいいのか?』を自問自答すればいいのです。
それでも分からない時に、専門家のアドバイスと求めても遅くはありません。
このような流れで、専門家のアドバイスを受けた場合は、『まず、その通り行動すること』です。
すると、また別の問題が起こります。
この時、『ああ、ダメだ』と、簡単にあきらめてはいけません。
この別の問題を、『自分で解決すること』で、『ゴール地点』に一歩近づいたと思って下さい。
ここが重要です。
言われたことだけやっていても、『ゴール地点』は見えて来ません。
◆『ゴール地点』を決める
◆『スタート地点』に戻って逆算する
◆『ギャップ』を自分で解決する
◆『ゴール地点』に近づく
これが、『ゴール地点』を決めて逆算するメリットです。
次回のブログ記事は、8月16日(金)になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則