こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
今世界の総人口が、『約75億人』になりました。
これからもどんどん増え続け、85億人、95億人となるようです。
そんな増え続けている現人類でも、7万年前の『ホモ・サピエンス』の時代は、わずか『2000人』と消滅しかけていました。
理由は、『気候変動による激しい干ばつ』からです。
世界の総人口が増え続けているのは、大きな問題になっています。
しかし、今日は、『どのようにして危機を乗り越え、わずか2000人からここまで増やせたのか?』が、テーマです。
私が思うに、ポイントは3つあります。
1つ目は、
◆(1)『獲物の分配』
激しい干ばつなので、獲物を獲得したら、独り占めしたくなります。
しかし、『ホモ・サピエンス』はそれをせず、仲間で獲得した獲物を分配したのです。
結果的に、平均して安定的に獲物を獲得できるようになりました。
そのためには、仲間内みんなで、『分配する習慣』を身に付けなければいけません。
最初は試行錯誤があったと思います。
それでも、激しい干ばつの中で、生き残っていくために、必死で習慣化したのでしょう。
念のために言っておくと、この行為は、『仲間を思いやる気持ち』があった訳ではありません。
もちろん、『仲間への愛』でもなかったようです。
ただ、このやり方が、『みんなに確実に獲物を行き渡たらせる一番の方法』と感じたからだと思います。
2つ目は、
◆(2)『道具の進化』
『ホモ・サピエンス』は、ほっそりした体で、力も比較手的弱かったようです。
それに対して、当時のライバル関係にあった、『ネアンデルタール人』は、がっしりした体で、力も強く、今のレスラーのようでした。
しかし、皮肉なことに、『この弱さゆえに生き残り、その強さゆえに絶滅した』のです。
どういうことかと言うと、『ホモ・サピエンス』は、弱さゆえに、道具を生み出し、多くの仲間と力を合わせて、安全な狩りをしていました。
ところが、『ネアンデルタール人』は、強さゆえに、マンモスなどの大型動物を、数人で危険を冒す狩りをしていたのです。
そのため、『ホモ・サピエンス』は、命を落とすものが少なく、『ネアンデルタール人』は、当然多くなりました。
また、食料がある時の『ネアンデルタール人』は有利だったようですが、力を使う分、エネルギーも使うので、食料不足の時は、動く範囲が狭くなったのです。
反面、『ホモ・サピエンス』は、エネルギーを効率よく使えるので、どんどん動く範囲を広げて行きました。
これにより、獲物を獲得する場所を追われた『ネアンデルタール人』は、絶滅したのです。
3つ目は、
◆(3)『一夫一婦制』
びっくりすることですが、この時代からすでに、『一夫一婦制』を行っていました。
理由は、もちろん、このやり方が『一番子孫を残せるから』です。
通常、オスが、家族であるメスや子供に獲物を捕って来ます。
もしも、獲物を獲得の時に、襲われて命を落とすと、家族に獲物を持って帰れません。
しかし、『一夫一婦制』の群れを作っていると、別の仲間が獲物を分け与えてくれるので、生き残れるのです。
これも、先ほどの『獲物の分配』になります。
ところが、『一夫多妻制』だと、1つの群れは、『ハーレム状態』なので、他の家族に獲物を与えることはありません。
そうなると、残った母子で獲物を獲らなければいけないのですが、現実的に困難なのです。
このようなことを、今から7万年前のご先祖様は、行われていました。
この(1)『獲物の分配』、(2)『道具の進化』、(3)『一夫一婦制』、今の世でも、とても大切な習慣です。
また、これらの考え方は、『企業の生き残り』においても、充分に役立つと思います。
◆『弱さゆえに生き残り、強さゆえに絶滅する』
7万年前のご先祖様の教えです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則