こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
お客さんがお店を選ぶ基準は様々です。
その1つの基準に次のような選び方があります。
それは、
◆(A)『どこも同じだから、近くのここでいい』
◆(B)『どこも同じだけど、やっぱりここがいい』
◆(C)『どこも同じでないので、ここじゃなきゃダメ』
このような基準のお店があるとして、お客さんは、どのように使い分けているのでしょうか?
(A)のお店は、お客さんにとって、近くて便利なお店です。
しかし、それだけではありません。
そこに行くには、『買う理由』という必要性があるのです。
必要性があるから、わざわざお店までやって来てもらえます。
ただ多くの場合、その必要性にお客さんは直前まで気付いていないのです。
なので、タイミングよく知らせてもらえる、近くのお店を使われます。
(B)のお店は、比較的スタッフさんとの接点回数が多く関係性があり、『不安が少ないお店』です。
そのため、お客さんとの関わり方は、商品中心ではなく、お客さんの好みや事情などに合わせて、『個別対応』になります。
このような関係性のあるお店は、お客さんがお店を選ぶ時に、一番最初に頭に浮かぶでしょう。
なので、よほどのことがない限り、このお店から離れることはありません。
(C)のお店は、『ここでしかできない、選ばれる決め手』があります。
そのため、その独自性を期待して、遠方からでもお客さんはやって来るのです。
なので、できればこれがあるのが理想だと思います。
しかし、このような独自性があるお店は、そんなに多くありません。
そんな時は、1つの商品の独自性に頼ろうとせず、いろいろなサービスとの組み合わせで、独自性が出るように工夫するのです。
そう考えると、独自性はいろいろと考えられます。
それを、『選ばれる決め手』になるまで価値を高めるのです。
このような3つの基準で、(A)の『近くのここでいいお店』、(B)の『やっぱりここがいいお店』、(C)の『ここじゃなきゃダメなお店』とハッキリしていると、お客さんはとても選びやすくなります。
では、あなたの現在のお店は、上の3つのお店のどこに一番近いでしょうか?
また、あなたが目指すお店は、そのようなお店でしょうか?
もしも、違うのならば、『必要性』や『関係性』、『独自性』を意識する必要があります。
そのためには、まず『どんなお店を目指すのか?』、短い言葉で言い切るといいでしょう。
例えば、クリーニング店さんの場合で考えてみます。
◆(A)『着るモノをキレイにするクリーニング店』
◆(B)『着るヒトを良く見せるクリーニング店』
◆(C)『着る楽しさを売るクリーニング店』
こんな感じで言い切ると、何となく目指したいお店のイメージができるのではないでしょうか?
どうでしょうか?
ここをハッキリさせて目指すお店にして行きましょう。
そうすると、お客さんもあなたのお店を選びやすくなるはずです。
昔は、誰でもいいからできるだけ沢山のお客さんに来てもらうことが、良いことだと言われていました。
しかし、今は、それでは価値観のさまざまなお客さんに、喜んでもらうことができないのです。
喜んでもらえないお店は、長続きしません。
長続きさせるためには、お客さんがお店を選ぶ基準をハッキリさせて、その基準に合う価値を提供し続けなければいけないのです。
あなたのお店を短い言葉で言い切ると、どうなりますか?
一度考えてみて下さいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則