こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
『考えてくれるスタッフさん』と、『信じてくれるスタッフさん』がいたとしたら、社長さんはどちらを大切にすると思いますか?
多くの社長さんは、『信じてくれるスタッフさん』を大切にしています。
なぜなら、社長さんが言うことを信じて、素直に行動してくれるからです。
逆に、『考えてくれるスタッフさん』は、社長さんが言うことに疑問を持って、『なぜ、それをやらなくてはいけないのですか?』と質問して、素直に行動してくれません。
なので、『考えてくれるスタッフさん』より、『信じてくれるスタッフさん』を大切にするのです。
ところが、社長さんの言うことを信じて、素直に行動すると言うことは、指示がないと動かないと言うことになります。
そうすると、社長さんは、『なぜ、自分で考えて動こうとしないのか?』と怒り、『考えてくれるスタッフさん』を欲しがるのです。
ちょっと変な話ですが、このようなシーンは多く見られます。
そもそも、『考えられる人』は、現状を疑うことができるから、考えられるのです。
そのため、素直に信じようとしません。
一方、『信じられる人』は、現状をあまり疑わないから、信じられるのです。
そのため、進んで考えようとしません。
なぜなら、『考えること』は、辛くて面倒くさいものだからです。
このように書くと、『考えること』と『信じること』は、全く違うもののように感じられると思いますが、実はそうではありません。
そもそも『考える』と言うことは、過去の自分の経験や知識と、他人の経験や知識を比べて、その違いを探すことでもあります。
そのため、他人の経験や知識を得る必要があるのです。
他人の経験や知識は、直接会って得ることもありますが、多くは、書籍などの言語化したものから得ています。
通常、書籍にまとめられている事柄は、ある程度、論理的に書かれていますので、『信じること』ができるのです。
このようにして比べられる情報を得ることで、自分なりの判断基準が持てるようになります。
そうすると、『現状を疑うこと』ができるようになるので、『考えられる』のです。
ややこしい書き方をしたので、ちょっと分かりにくいかのしれませんね。
つまり、『考えること』ができる人は、『信じること』ができる人でもあるのです。
逆に言えば、『考えること』ができない人は、『信じること』もできない人でもあります。
冒頭の社長さんが、『信じてくれるスタッフさん』と思っているスタッフさんは、実は、『考えること』が辛くて面倒くさいので、社長さんの言うことを聞いていればいいと思っているだけなのです。
なので、社長さんの言うことを、『信じている』わけではありません。
では、あなたのお店で、『考えること』ができるスタッフさんは、どれだけいるでしょうか?
もしも、そのようなスタッフさんがほとんどいないとしたら、それは、『信じること』ができない職場で働いていると思っています。
どうでしょうか?
もしも、そうならば、まずは、『信じること』ができる職場にしなければいけません。
これをする一番の方法は、社長さんがまず、スタッフさんを『信じること』です。
そうすると、そのうちスタッフさんも、社長さんを信じるようになるでしょう。
そして、社長さんがスタッフさんを信じ続けるようになると、どんなに辛くて面倒くさくても、『考えること』をやってくれるスタッフさんが現れます。
『考えてくれるスタッフさん』がいなくて嘆いているのであれば、その前に、まず、社長さんがスタッフさんを信じることが重要です。
まず、ここからやり始めて下さいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則