商品に棚卸しがあるように、顧客も棚卸しが必要ではないでしょうか? | 値上げができる店頭看板の考え方・作り方

値上げができる店頭看板の考え方・作り方

もしも今、みんながサボらず一生懸命働いていて、利益が思うように出ていないのだったとしたら、それは単価が低いのが原因です。思い切って値上げをしてみませんか? 店頭看板を通じて、値上げができる考え方をお教えします。

こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。



商品を売る流れは、一般的に次のような流れになります。

 

◆(1)『商品を開発する』

 

◆(2)『商品を生産する』

 

◆(3)『商品を販売する』

 

 

全てを自社でする場合もあれば、他社との協力で行う場合もあるでしょう。

このような流れで、商品をお客さんに届けています。

 

 

この流れが速いほど、余分なコストがかからず、お客さんにスムーズに商品が届くのです。

 

昔は、この(1)~(3)の流れを、いかに大量に安定して行えるかがポイントでした。

 

これは、(1)の新しく開発した商品の販売期間が比較的長く、ロングランで売ることができたからです。

 

しかし、今は、モノ余りやお客さんの好みの多様化から、商品の販売期間が非常に短くなって来ました。

 

そのため、少量の商品を素早く、多種類を提供するために、先程の流れを細かく速く行わなければいけなくなったのです。

 

 

この流れが悪くなると、『在庫』という形で停滞してしまいます。

 

例えば、『在庫』が多くなると、廃棄ロスや保管コストなどで、利益を圧迫することが多いです。

逆に、『在庫』が少なくなると、『在庫切れ』で、販売のチャンスを無くします。

 

 

つまり、『在庫』は、『商品を持ち過ぎても、持たな過ぎてもダメ』なのです。

 

そこで、(1)~(3)が適正な『在庫』になるように、こまめに棚卸しをして、『在庫管理』をしなければいけません。

 

 


では、『在庫管理』は、商品だけでいいのでしょうか?

 

今は、昔のように商品さえあれば何とかなる時代ではありません。

 

お客さんの事情や好みが、商品に大きく影響しているのです。


であれば、『顧客』にも、『在庫管理』が必要ではないでしょうか?

 

商品と同じように、『顧客も持ち過ぎても、持たな過ぎてもダメ』なのです。

 

 

 

『顧客の在庫管理』と言っても、ピンと来ないかもしれませんね。

 

例えば、お客さんのリストを取っているお店では、必ず『顧客リスト』があるはずです。

 

この『顧客リスト』を、『お客さんの在庫』とみなすと管理することができます。

 

 

管理のやり方は色々ありますが、1つのやり方は、例えば、『お客さんの年間のリピート回数』でランク分けする方法です。

 

 

◆(S客)年間リピート回数10回以上

 

◆(A客)年間リピート回数5回以上

 

◆(B客)年間リピート回数3回以上

 

◆(C客)年間リピート回数1回以上

 

 

というように、お店の事情に合わせてお客さんをランク分けします。

 

『それぞれのランクのお客さんが何人いて、どれくらいの売上げを上げているのか?』をチェックするのです。

 

そして、『上位のお客さんがもっとリピートするには、どうすればいいのか?』を考えます。

 

場合によっては、『下位のお客さんが来なくなるような対策』も必要です。

 

このようにすると、『顧客の在庫管理』ができるようになると、安定して売上げや利益を出せるようになります。

 

 

しかし、このような『顧客の在庫管理』ができていないと、下位のお客さんが望む割引きなどの安売りで、目先の売上げを上げようとするのです。

 

これをすると、いくら売上げを上げても、利益にはつながりません。

 

 

 

今は、商品とお客さんの関連性が強いので、両方を管理することがとても望ましいです。

 

これができると、新しい商品の開発につながることも多くなります。

 

 

どうでしょうか?

 

 

『在庫管理は、商品だけでなく顧客も行う』、このことをちょっと意識してみて下さい。

 

たったこれだけで、お客さんに商品を売る流れが、とてもスムーズになりますよ。




最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則