こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
売上げが伸び悩むと、『値下げ』という割引きを考える社長さんが多くいます。
これは、『値下げ』をすれば売上げが上がると思っているからです。
しかし、今は少し事情が変わって来ました。
それは、『値下げ』するよりも『値上げ』する方が、売上げが上げやすくなって来ているのです。
先程の社長さんに、この話をすると、『ウソ! そんなバカなことはない』と言うでしょうね。
しかし、最近は、『価格の安さ』に疑問を持つお客さんが増えているのです。
価値がハッキリしている商品サービスの場合は、価格は安い方がいいのですが、価値がハッキリしていない商品サービスの場合は、そうではありません。
なぜなら、価格でしか品質を判断できないからです。
そのため、価格が安いと、『その価格で、本当に品質は大丈夫なの?』と不安を感じてしまいます。
なので、『価格が安い=品質が悪い』、『価格が高い=品質が良い』と考えてしまうのです。
このようなお客さんが増えているため、このようなお客さんには、『値下げ』するよりも『値上げ』する方が有利になると考えられます。
なので、正しく『値上げ』をすれば、納得してもらえるのです。
正しい『値上げ』には、『何のために』という目的をハッキリさせなければいけません。
目的は、次の3つです。
◆(A)『社長さんの心配を無くすため』
・客数ダウンをおぎない、売上げを上げる
・粗利率を高めて、利益を上げる
・一人当たりの生産性を高めて、求人難に対応する
◆(B)『スタッフさんをラクにするため』
・客数を減らして、仕事に余裕を持たせる
・客数が減っても、同じ給料にする
・毎日の仕事が、楽しくやりやすくする
◆(C)『お客さんを喜ばすため』
・一人ひとりのお客さんに、寄り添う対応をする
・悩みの解消だけでなく、望みの実現をする
・お客さんの笑顔を増やし、安心できるお店となる
また、『値上げ』は、価格を上げるだけと考えている社長さんが多いですが、そうではありません。
では、『値上げ』は、『何をすること』なのでしょうか?
それは、『値上げ』によって、『商品サービス』や『スタッフさん』、『お客さん』を、再構築(リストラクチャリング)することです。
価格を上げることをきっかけに、『値上げ後の価格に、見合う価値があるのか?』を見直します。
そのためには、現状に疑問を持ち、新しい解釈で、今の仕組みを組み替えなければいけません。
しっかりと見直し、再構築ができると、『価格に、見合う価値』が提供できるようになるので、たとえ『値上げ』をしても、一定数以上の客数減少はないでしょう。
経験則の目安として、『正しい値上げと客数減少』の関係は次のようになります。
◆(1)『20%の値上げで、10%の客数減少』
◆(2)『10%の値上げで、5%の客数減少』
◆(3)『5%の値上げで、2~3%の客数減少』
このようになるケースが多いです。
このケースだと、売上げも利益も必ず上がります。
少子高齢で人口減少が続く今は、何もしなくても、『1年で1%の顧客数やスタッフ数が減少』し続ける傾向です。
これは、『10年で10%の顧客数やスタッフ数の減少』を意味します。
この対策の1つが、『値上げ』です。
『値上げ』ができるようになれば、たとえ、顧客数やスタッフ数が減少したとしても怖くありません。
まだ、『値上げ』に躊躇している店は、今すぐ、『値上げ』を検討してみて下さいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則