こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
一生懸命やっているのに、求める結果が出ないことがあります。
原因は、行動と結果にズレがあるからです。
では、行動と結果のどちらが重要なのでしょうか?
よく聞くのは、
◆『どれだけ行動していても、結果が出なければダメである』
◆『結果が全てだ!』
あるいは、
◆『いやいや、有効な行動が決まっていなければダメである』
◆『行動が全てだ!』
あなたは、どちらでしょうか?
このように意見が分かれる原因は、それぞれの立場や役割りが違うからです。
社長さんや経営者さんは、どちらか言うと、『結果重視』になります。
なぜなら、『結果責任』があるからです。
社長さんや経営者さんは、会社を続けて行くために、しっかり結果を残す責任があります。
だから、『結果が全てだ!』と考えてしまうのです。
一方、社員さんやパートさんは、どうでしょうか?
社員さんやパートさんも、『結果』は気になりますが、それよりも、『行動』に関心があります。
なぜなら、しっかり行動しないと、自分の給料に影響するからです。
極端な話、言われた通り行動しているのに、『結果が出ないと、言われても困る』と思っています。
このように、それぞれの立場や役割りでの考え方のズレから、求める結果が出ないことが多いです。
このことを理解していない社長さんや経営者さんは、社員さんやパートさんに対して、『何としてでも結果を出せ!』と発破を掛けます。
しかし、いくら発破をかけられても、社員さんやパートさんは、どのように行動すればいいのか分からないのです。
そもそも、『結果を出す責任』は、社長さんや経営者さんにあることを自覚しなければいけません。
『結果責任』があるのですから、求める結果が出ないのは、社長さんや経営者さんの責任なのです。
なので、もしも今、求める結果が出ていないのなら、社員さんやパートさんに発破を掛ける前に、結果につながる行動と、それがやりやすくなる仕組みや環境を作ることが先決になります。
そうすれば、社員さんやパートさんは自分の行動に集中できるので、おのずと期待する結果が出て来るはずです。
この時の『行動と結果の関係』は、次のような流れになります。
◆(1)『行動』→(2)『結果』→(3)『新しい行動』→(4)『新しい結果』
この流れで重要なポイントは、(2)の『結果』と(3)の『新しい行動』の間です。
(1)の『行動』をすることで、(2)の『結果』が出ます。
その結果が求める結果でない場合は、(2)の『結果』を『評価』しなければいけません。
◆(a)『どんな行動が、良かったのか?』
例え、求める結果でなかったとしても、必ず良い結果につながる良い行動はあります。
『その良い行動は、何なのか?』
『誰が、その行動をやったのか?』
『その行動を他の人達もできるようにするには、どんな仕組みにすればいいのか?』など
◆(b)『上手く行っていないのは、どこなのか?』
『一連のプロセスのどこが、一番上手く行ってないのか?』
『そこを改善するとすれば、どうすればいいのか?』
『改善できないとすれば、どのように仕組みを変えればいいのか?』など
(2)の『結果』を評価し、仕組みを改善し、(3)の『新しい行動』を決めるのです。
それを行うことで、(4)の『新しい結果』が出てきます。
この(4)の『新しい結果』が求める結果であればいいのですが、もしも違うとすれば、またその結果を評価し、仕組みを改善し、違う新しい行動を決めて行くのです。
つまり、出た結果が満足できるものでないのなら、まず仕組みを変えてから、行動を変えるか増やすかする必要があります。
決して、社員さんやパートさんの『能力不足』や『努力不足』を問題にしてはいけません。
なぜなら、全ての社員さんやパートさんが、『高い能力』を持っているとは限りませんし、『努力し続けてもらえる』とは限らないからです。
なので、現状の社員さんやパートさんで、『結果につながる行動ができる仕組み』が重要になります。
そのためには、『途中経過のチェック』が必要です。
『進捗状況の確認』とも言います。
◆『本気で行動しているのか?』
『本気で行動しているとしたら、どこの仕組みが良いのか?』
◆『イヤイヤ行動しているのか?』
『イヤイヤ行動しているとしたら、どこの仕組みが悪いのか?』
ここをハッキリ確認するには、『途中経過のチェック』がとても有効です。
これは、『結果だけをチェック』しても分かりません。
社長さんや経営者さんが、求める結果を得たいなら、まず、『仕組みや環境』に目を向けて下さい。
そして、『途中経過』をチェックして、本気の行動ができるように改善してあげて下さい。
これができると、社員さんやパートさんも、喜んで行動してくれることでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則