こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
もしも今、皆で一生懸命働いていて、それでも利益が出ないのだとしたら、それは、『単価が低いこと』原因です。
そんな時は、『値上げ』がオススメ!
『値上げ』は、あなたのお店に利益をもたらすきっかけになります。
しかし、『値上げ』をすればいいのは分かるけど、なかなかできません。
理由は、『値上げによる、客数の減少』が恐いからです。
確かに、『値上げ』によって、客数は減少します。
しかし、例え、客数が減ったとしても大丈夫な場合が多いんですよ。
<例えば>
美容室のカット料金の場合で考えてみますね。
◆(A)『現在のカット料金 4000円』
1日8人で、月25日営業すると、客数が1ヵ月200人のお店があったとしましょう。
そうすると、『カットの月間売上げ』が、4000円×200人で、『80万円』(a)
粗利率が80%とすると、『1人当たりのカットの粗利益』は、4000円×80%で、『3200円』
『カットの月間粗利益』は、3200円×200人で、『64万円』
『カットの月間の固定費』が、『70万円』だったとすると、64万円-70万円で、『▲6万円の赤字』(b)
そこで、『20%の値上げ』をします。
◆(B)『値上げ後のカット料金 4800円』
『値上げ』のために、『10%の客数減少』になったとします。
1ヵ月の客数が、200人×90%で、180人です。
そうすると、『カットの月間売上げ』が、4800円×180人で、『86万4千円』(c)
『1人当たりのカットの粗利益』は、現状の3200円+値上げ分の800円で、『4000円』
『カットの月間粗利益』は、4000円×180人で、『72万円』
『カットの月間の固定費』が、『70万円』のままだったとすると、72万千円-70万円で、『2万円の黒字』(d)
どうでしょうか?
『20%の値上げ』と『10%の客数減少』で、売上げは、『80万円』(a)→『86万4千円』(c)、営業利益は、『▲6万円の赤字』(b)→『2万円の黒字』(d)になるのです。
このようなややこしい計算で説明したとしても、これは単なる数字上の考え方で、『実際は、このようにはならない』と、信じない方がいるかもしれませんね。
一番、信じられないところは、『20%の値上げ』をすれば、『10%の客数減少』では済まないところでしょう。
確かに、信じられないのは分かります。
しかし、逆に言えば、たった『20%の値上げ』で、『10%以上の客数減少』になるのだとしたら、それは、『値上げ以外の問題』があるからです。
<例えば>
◆(1)『そもそも商品の本来の価値が、足らなかったのではないか?』
◆(2)『商品の本来の価値を、伝え切れてなかったのではないか?』
◆(3)『お店の雰囲気が、お客さんとマッチしていなかったのではないか?』
◆(4)『スタッフさんの接し方に、不満があったのではないか?』
◆(5)『お店からのアフターフォローが、不足していたのではないか?』など
『値上げ以外の問題』である、『価格以外の問題』があるはずです。
それくらい、『価格以外の問題』は、『客数の減少』に大きく関係します。
とは言え、『価格の判断』だけで、お店に来ているお客さんもいるので、『値上げ』によって、『10%の客数減少』として表れるのです。
どうでしょうか?
『値上げ』を『価格の問題』として意識してしまうと、上記の『価格以外の問題』に気付かず、どうしてもおろそかにしてしまいます。
そうならないように、普段からしっかりと、お客さんの立場になって、『価格以外の問題』に関わることが大切です。
そうしていると、『値上げ』しただけで、お店に来なくなることはありません。
但し、『値上げ後の価格に見合った対応』になっていなければ、お客さんは減って行くことになるでしょう。
しかし、しっかりと『価格に見合った対応』をしていれば、それを求める新しいお客さんが増えて来るようになるのです。
そうなれば、売上げも利益もさらに上がって行きます。
どうか『値上げ』は、あなたのお店に利益をもたらすきっかけになることを、忘れないで下さいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則