こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
スタッフさんのことで、いつも嘆いている社長さんがいます。
<例えば>
◆(A)『言われたことができないスタッフさん』
に対しては、『どうして言われたことができないのか?』と嘆きます。
これは、よくある嘆きです。
また一方で、
◆(B)『言われたことができるスタッフさん』
に対しては、『どうして言われたことしかできないのか?』と、できたことは当たり前で、それ以上のことを求めて嘆きます。
この社長さんにとっては、言われたことができてもできなくても嘆くのです。
では、どうしてこのようになってしまうのでしょうか?
それが分かる簡単なシーンがあります。
それは、
<例えば>
スタッフさんから、『これ、どうすればいいですか?』と聞かれるシーンです。
このようなシーンは結構あると思います。
この時、あなたが社長さんなら、どのように対応しているでしょうか?
先程の社長さんなら、恐らく、『これは、こうすればいいんだよ!』と答えているはずです。
実は、この対応の仕方に問題があります。
しかし、そのように言われても、『何が問題なのか?』、分からない社長さんが多いはずです。
では、何が問題なのでしょうか?
それは、スタッフさんの事情がよく分からないのに、社長さんが自分勝手に答えているところです。
これでは、その答えが本当に正しいのか分かりません。
しかも、本来はスタッフさんが自分自身で考えて、その答えを見つけなければいけないのに、それをさせようにとしていないことが問題なのです。
では、どうのようにすればいいのでしょうか?
<例えば>
スタッフさんから、『これ、どうすればいいですか?』と聞かれたら、
社長さんは、『どうしたの?』と、まず現在の事情を聞くことから始めます。
そうすると、スタッフさんは、『先日、こんなことがあって、困っているです』と、困っている事情を話し始めるのです。
そうしたら、社長さんは、『へぇ~、そんなことがあったのか、それは大変だね』と、スタッフさんに共感してあげます。
たったこれだけで、共感されたスタッフさんの気持ちは落ち着くでしょう。
そうしたら、社長さんは、『どうして、そんなことになったの?』と、さらに事情を深く聞きます。
それに対して、スタッフさんは、『実は、こんなことが原因で、起こったのではないかと思っています』と答えたとしましょう。
それに対して、社長さんは、『なるほど、そうなんだ』と、共感して、『もしも、それが原因だとしたら、どうすればいい?』と、さらに聞きます。
スタッフさんは、『そうですね。これが原因なら、こんなことをすればいいと思います』と答えたとしましょう。
そうすれば、社長さんは、『なるほど、それはいいかもしれないね』、『じゃあ、それやってみて!』と、スタッフさんが考えたことを行動してもらえばいいのです。
全てがこのように上手く行くとは限りません。
しかし、ここで大切なことは、『スタッフさんに、自分で考えて、行動してもらうこと』です。
なので、例え、その原因や対策が間違っていてもかまいません。
もちろん、その原因や対策が間違っていたら、失敗するでしょう。
しかし、失敗からしか学べないことも多いのです。
もちろん、相手がいる場合は、迷惑がかからないように、しっかりしたフォローが必要になります。
それよりも、『失敗しても失敗は悪くない、行動しないことが悪いのだ』ということに、気付いてもうらうことが大切なのです。
こんな感じで、スタッフさんに、『何が問題で、何が原因で、何を対策すればいいのか?』考えて、行動してもらいます。
そのためには、ルールが1つ必要です。
それは、
◆『質問された時に、分からないと言わないこと』
このルールさえあれば、スタッフさんは、自分自身で考えて、行動するようになります。
簡単なルールですが、このルールは結構強力ですよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則