こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。
お客さんは、『変化』よりも『安定』を求める傾向があります。
理由は、『変化』には必ず『痛み』が伴うからです。
だから、『安定』を求めて、『現状の安息』に満足してしまいます。
その一方で、『変化』がないと、『つまらない』と感じて、『退屈』とも思うのです。
つまり、『変化』と『安定』は、ある程度のバランスが大切になります。
では、ある程度のバランスを取るには、どうすればいいでしょうか?
そのためには、次の2つの質問が効果的です。
それは、
◆(A)『今の前提条件が良い方に変わったら、何がしたいですか?』
◆(B)『今の前提条件が悪い方に変わったら、何がイヤですか?』
この2つの質問について、考えてみて下さい。
ここで言う、『前提条件』とは、『現状の安息』が成り立つ仮定になります。
『ここが変化したら、どうなるのか?』を考えて、言葉にするのです。
しかし、ほとんどのお客さんは、『現状の安息』に、どっぷり浸かっているので、何も考えられないし、言葉にすることもできないでしょう。
せいぜい、『周りの誰かが、自分の都合が良い環境(前提条件)に変えてくれたらいいな』と、バクゼンと願うことぐらいだと思います。
唯一、考えることができるのが、突発的な出来事で大きな失敗や、ケガが伴う大きな事故に会うと、『前提条件が悪い方に変わる』ので、何かの行動をせざるを得なくなる時くらいでしょう。
この時は、『現状に疑問を持つので、今の行動を変えよう』となるのです。
この流れを、販促や販売に応用することができます。
<例えば>
◆(1)『現状に安息しているお客さんを、ハッキリさせる』
◆(2)『前提条件が悪い方に、変わったことを伝える』
◆(3)『問題を投げ掛けて、現状に疑問を持ちやすくする』
◆(4)『プロの視点で原因や結果を伝えて、新しい解釈に気付かせる』
◆(5)『実現のためのやり方と、はじめの行動を伝えて促す』
このような流れを伝えると、『現状の安息』に疑問を持ち、『現状に痛み』を感じるようになります。
そうすると、しばらくは我慢できても、そのうち逃げ出したくなるのです。
しかし、『現状の安息』を求めているお客さんは、逃げることも痛みに感じるので、仕方なく誰かの力を借りて、『痛みの解消』へと向かうでしょう。
先程の(A)の『何がしたいのか?』は、『快楽』を尋ねる質問になります。
そして、(B)の『何がイヤなのか?』は、『痛み』を尋ねる質問です。
通常、『痛み』は『快楽』の2倍以上のエネルギーがあるため、『痛み』にフォーカスする方が、行動してもらいやすくなります。
それと、一般的には、『痛みがあるから、行動できない』と考えるお客さんが多いです。
しかし、実際は逆で、『行動しないから、痛みを感じます』
タイトルで、『時にはお客さんの安息をぶち破ることも必要!』とつけたのは?
『行動しない痛みを感じている』お客さんに、変化と安定のバランスが崩れていることに気付いて欲しいからです。
つまり、『あなたのお客さんは、今、何がイヤなのか?』を考えて、『前提条件』をハッキリした言葉で、変えてあげないといけないのです。
このことで、『現状に疑問を持つこと』ができると、『今、何をしなければいけないのか?』が分かるので、『行動して痛みを解消』するようになるでしょう。
そのためには、まず、『お客さんの現状の安息を疑うこと』からはじめて下さい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則