こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。
世間では『過労』や『パワハラ』など、働く人の問題が多く取り上げられています。
それに対して、『働き方』の見直しを考えているお店も増えて来ていることでしょう。
『働き方』を見直すポイントは、大きく分けて次の3つです。
◆(1)『労働時間』
◆(2)『仕事内容』
◆(3)『信頼関係』
他にもあるかもしれません。
しかし、もしもこの3つだとしたら、あなたはどの順番で見直しますか?
一度考えてみて下さい。
お店によって重視する視点が違うので、一概に、『この順番が正しい』とは言えません。
しかし、重視する視点がハッキリしていれば、その傾向は見えて来ます。
<例えば>
売上げ重視の視点の場合
売上げ重視のお店は、どうしても『客数』が気になります。
できれば、『沢山のお客さんを集めて、沢山の商品やサービスを売りたい』と思っていることでしょう。
そうなれば、『客数』に合わせたスタッフさんの人数やシフトの調整が必要になるのです。
この時に影響するのが、(1)の『労働時間』になります。
例えば、今、1人のスタッフさんの『1日の労働時間が、10時間』の場合
これを、『働き方』の見直しで、『1日の労働時間を、7時間』にしたとします。
そうすると、『1日の労働時間が、3時間不足』になり、他のスタッフさんの手配が必要です。
現状のスタッフさんの人数では、手配できる労働時間が調整できない場合は、求人をして補わなければいけません。
しかし、すぐに求人が募集できなければ、経営者が自ら働くか、『働き方』の見直しを延期せざるを得ないと考えるのです。
このように、売上げ重視の視点で考えると、どうしても、(1)の『労働時間』が気になるので、ここから始めます。
そして、(1)の『労働時間』に目途がつけば、次に、(2)の『仕事内容』の見直しにかかるでしょう。
この順番で行けば、(3)の『信頼関係をどう見直すか?』については、そこまで手が回らないことが多いです。
一方、利益重視の視点の場合
利益重視のお店は、どちらか言うと『客単価』が気になります。
できれば、『高くても買ってもらえるお客さんに、喜ばれる商品やサービスを提供したい』と思っていることでしょう。
そうなれば、『お客さんとのコミュニケーション』が取りやすい職場環境が必要になるのです。
この時に影響するのが、(3)の『信頼関係』になります。
例えば、今、『1人のお客さんへの接客時間が、20分~30分』です。
これを、『働き方』の見直しで、『1人のお客さんへの接客時間を、50分~60分』にしたとします。
こうすることで、お客さんとの『信頼関係』を深めて、『客単価』を高めて行こうとするのです。
これに合わせて、スタッフさんの『仕事内容』も変わって来ます。
『仕事内容』がこのように変わると、スタッフさんは余裕を持って働くことができることでしょう。
このように、利益重視の視点で考えると、(3)の『信頼関係』や(2)の『仕事内容』が気になるので、ここから見直されることが多いのです。
そして、これらが見直されてから、(1)の『労働時間』が見直されます。
もしも、この流れが逆になってしまったら、『お客さんへの接客時間が、今よりさらに短くなり、満足なサービスの提供』ができなくなってしまうのです。
これにより、今まで来てもらっていたお客さんが、来なくなってしまうことも十分考えられます。
どうでしょうか?
『働き方』の見直しはとても大切です。
しかし、いきなり、(1)の『労働時間』だけを見直すと、現場とのズレが悪影響を及ぼし、現状よりもさらに業績が悪化することが考えられます。
あなたのお店は、どこを重視していますか?
もしも、『利益重視をしなければいけないお店』だったとしたら、まずは、(3)の『信頼関係』から見直して見て下さい。
『信頼関係』は、お客さんとの『信頼関係』も大切ですが、スタッフさんとの『信頼関係』はもっと大切です。
ここを見誤ると、何をやっても上手く行きません。
ご注意を!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則