こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。
『Rfm分析』という分析手法をご存知でしょうか?
これは、お客さんの過去の購買履歴を分析することで、DMなどを送る際のリストの絞り込みに使われることが多いです。
目的は、反応率を高めるためと、販促コストを抑えるためでしょう。
◆『R』とは、Recencyの頭文字で、『最終来店日』
◆『f』とは、Frequencyの頭文字で、『年間来店回数』
◆『m』とは、Monetaryの頭文字で、『年間利用金額』
というような意味合いがあります。
<例えば>
『R』の『最終来店日』から、最近利用されたお客さんにDMを送る場合、最終来店日が2カ月前以内のお客さんに送ればいいわけです。
もしも、しばらく利用されていないお客さんにDMを送る場合、最終来店日が1年前から6カ月前のお客さんに送ります。
このようにすると、『誰に、どのような内容で送るのか?』がハッキリするので、反応が良くなるのです。
<例えば>
『f』の『年間来店回数』から、リピートされているお客さんにDMを送る場合、来店回数が6回以上のお客さんに送ることができます。
また、休眠のお客さんにDMを送る場合は、来店回数が1~2回のお客さんに送ることもできるのです。
<例えば>
『m』の『年間利用金額』の場合は、この利用金額以下のお客さんには、DMを送らないとすることもできます。
そうすると、先程の『R』の『最終来店日』が1年以内で、『f』の『年間来店回数』が3回以上で、『m』の『年間利用金額』が2000円以上とすれば、もっとハッキリとして絞り込みができるのです。
このようにして、来店の可能性が低いお客さんを除くことで、手持ちのリスト全員にDMを送らなくてよくなります。
ここまでが、過去の購買履歴のデータを使った分析の話です。
しかし、過去のデータをどれだけ分析しても、数字からは大事なものは見えて来ません。
<例えば>
『R』の『最終来店日』が分かっても、『次回、いつ来店されるのか?』は、分からないのです。
ところが、現場のスタッフさんに、『このお客さん、次回はいつ頃こられますか?』と聞いてみると、
『あぁ、このお客さんなら、おそらく〇月〇日頃には来られるはずですよ』と答えられます。
『どうして、分かるのですか?』とさらに聞いてみると、
『だって、〇月〇日に、〇〇のイベントがあるので、それくらいにきっと来られるはず』と言われるのです。
これは、お客さんとスタッフさんが、しっかり会話されているから分かるのだと思います。
<例えば>
『f』の『年間来店回数』が分かっても、『なぜ、それだけの回数を来なければいけないのか?』は、分からないのです。
しかし、これも先程のスタッフさんに聞いてみると、『あぁ、このお客さんは、こんなことを大切にされているので、これくらい来なければ満足されないからだと思います』とすんなり答えてもらえます。
<例えば>
『m』の『年間利用金額』が分かっても、『お店を、どのように利用されているのか?』は分からないのです。
『割引きの時だけ利用されているのか?』、『1つ上のコースをいつも利用されているのか?』、この辺りが分かっているかどうかが大切になります。
過去のお客さんのデータは大切です。
しかし、目の前のお客さんの情報や将来のお客さんの情報は、もっと大切になります。
過去だけを見ていては、そのうち何も見えなくなってしまうかもしれませんよ。
ご注意を!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則