こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。
売上げを作る公式に、次のような式あります。
それは、
◆『売上げ=顧客数×年間支出額』
『顧客数』とは、お客さんの頭数のことで、1人のお客さんが何回来店されても1名とカウントされます。
『年間支出額』とは、1年間に1名のお客さんが、お店で使われた買上げ金額のことです。
この『年間支出額』は、1回当たりの『客単価』と年間の『来店回数』で決まり、お客さんとお店のつながりを示す指標の1つとして使われます。
具体例を出して、もう少し説明すると、
例えば、次のようなお店があったとします。
◆年間売上げが、1000万円
◆顧客数が、1000名
◆年間支出額が、1万円/名
このお店の売上げを20%アップさせて、『年間売上げを1200万円にしたい』とします。
あなたなら、どのようなデータを準備するでしょうか?
例えば、次のように『年間支出額』の高い順番に客層を区分し、それぞれの『顧客数』と『売上げ高』を示すデータがあったとします。
<データ1>
◆『S客層』=『顧客数:100名』『売上げ:400万円』
◆『A客層』=『顧客数:200名』『売上げ:300万円』
◆『B客層』=『顧客数:300名』『売上げ:200万円』
◆『C客層』=『顧客数:400名』『売上げ:100万円』
実際には、このような切りのいい数字ではありませんが、シンプルにするためにこのようにしました。
<データ2>
この時のそれぞれの『年間支出額』は、次の通りです。
◆『S客層』=『年間支出額:4万円/名』
◆『A客層』=『年間支出額:1.5万円/名』
◆『B客層』=『年間支出額:0.66万円/名』
◆『C客層』=『年間支出額:0.25万円/名』
つまり、平均の『年間支出額』が、1万円/名のお店でも、客層別に分けると、『S客層』のお客さんと、『C客層』のお客さんでは、16倍の開きがあるのです。
他にも色々がデータが必要だと思いますが、この2つのデータから、あなたは次のどの対策を考えるでしょうか?
例えば、
◆(1)『顧客数を20%アップして、1000名→1200名にする』
◆(2)『年間支出額を20%アップして、1万円→1万2千円にする』
◆(3)『顧客数を10%アップして、1000名→1100名にし、年間支出額を10%アップして、1万円→1万1千円にする』
(1)が『集客アップ』がメインの対策で、(2)が『接客アップ』がメインの対策になるでしょう。
(3)はその両方を行う折衷案です。
どうでしょうか?
どのやり方でもいいのですが、ポイントは、『何をメインにアップさせて、売上げを上げているのか?』を、しっかり理解しておかないと、いろいろなトラブルが起こります。
例えば、(1)のやり方で、『集客アップ』させると、『増えたお客さんの対応』を事前に準備しておかないと、お店がてんてこ舞いになるでしょう。
また、(2)のやり方で、『接客アップ』させようとしても、『客単価アップするメニュー』や、『リピートアップする理由』がないと、思うようにアップしていかないのです。
この(1)~(3)以外にも、(4)の『客層アップ』という対策があります。
それは、
◆(4)『年間支出額:4万円/名』の『S客層を、50名増やす』です。
単純計算して、『売上げ200万円アップするには、50名のS客層を増やす』と考えます。
なぜなら、(1)のやり方で、『集客アップ』させると、大抵が『C客層』を増やすことになるからです。
『C客層』の『年間支出額』は、0.25万円/名なので、売上げ200万円アップさせるには、単純計算で、800名増やさなければいけません。
現実には、その他の客層も増えますので、ここまで増やさなくてもいいでしょうが、それでも月にすれば、50名前後は増えるでしょう。
先程、『増えたお客さんの対応を事前に準備しておかないと、お店がてんてこ舞いになる』と言ったのはこのことからです。
なので、どうせ増やすのなら、『S客層』を増やそうと考えるやり方になります。
では、どうすれば『S客層』が増えるのでしょうか?
それは、実に簡単です。
まず、次のことを調べます。
◆『S客層のお客さんとは、どんなお客さんなのか?』
◆『なぜ、平均年間4万円も使ってもらえるのか?』
◆『使ってもらうことで、どんな変化をお客さんに提供できるのか?』
◆『そのための1回の金額と年間の回数はどれくらいなのか?』
これらをハッキリさせるのです。
そうすると、『客層アップ』の手掛かりが、必ず見え来ます。
(1)~(4)のやり方には、それぞれ一長一短がありますので、どれがいいのか事情によって変わるでしょう。
しかし、『どのようなデータを、どのように使うのか?』によって、やるべきことが見えて来るのは事実です。
あなたは、どんなデータから、何を重視しますか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則