こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。
昔は、同じ商品やサービスをただ提供していただけで売れていました。
しかし、今は、お客さんの事情に合わせた商品やサービスを提供しなければ、なかなか売れません。
この傾向はこれからも、もっと進んでいくと思われます。
では、何をすればいいのでしょうか?
1つの対応策が、『接客サービスの向上』です。
しかし、今までの作業中心の対応に慣れ浸しんでいるスタッフさんに、いきなり『接客サービスの向上をお願いします』と言っても、なかなか取り組んでもらえません。
これは、その期間が長いスタッフさんほど、取り組んでもらえない傾向にあります。
では、どうして取り組んでもらえないのでしょうか?
スタッフさんのお話しを聞いていると、そこには大きな勘違いがあると感じます。
それは、『100%できないことは、やらない』という勘違いです。
この裏側には、『失敗して、恥をかきたくない』、『ヘマをして、叱られたくない』という感情が潜んでいます。
例えば、新しいことをお願いした結果、次のようになったとしましょう。
◆(A)『100%できる、0%できないスタッフさん』
◆(B)『70%できる、30%できないスタッフさん』
◆(C)『50%できる、50%できないスタッフさん』
◆(D)『30%できる、70%できないスタッフさん』
◆(E)『0%できる、100%できないスタッフさん』
行動してくれたスタッフさんで、どのスタッフさんが一番多かったでしょうか?
それぞれのお店には事情がありますので、その割合は違うと思います。
しかし、確実に言えることは、(A)の『100%できるスタッフさん』と、(E)の『100%できないスタッフさん』は、本来はいないと言うことです。
もしも、そのように見えたとしたら、(A)のスタッフさんは、すでにできていたことで、新しいことではなかったと思われます。
また、(E)のスタッフさんは、『100%できないことは、やらない』という勘違いの人で、おそらく新しい行動をしていないからそう見えるのでしょう。
どうでしょうか?
このように考えると、全く違う結果の(A)と(E)のスタッフさんは、同じ行動を取りやすいと考えられます。
つまり、『100%できることは、やる』、『100%できないことは、やらない』となるのです。
何回も言いますが、これは勘違いなります。
何か新しことをして、できなければ失敗とみなされて恥をかきそう、ヘマをしたら叱られそうと間違って意味づけています。
このように、『できないことへの意味づけ』を勘違いしているのです。
つまり、次のようになります。
◆勘違いしている人の意味づけ
『できないこと』は、恥ずかしいこと、叱られること
◆勘違いしていない人の意味づけ
『できないこと』を知ることは、成長のきっかけで、褒められること
どうでしょうか?
『できないこと』が、叱られる対象になるのか、褒められる対象になるのか、この違いは大きいですよね。
このことを、先程の(B)、(C)、(D)のスタッフさんは、意識しているかどうかは分かりませんが、何となく無意識に反応していると思われます。
ただ器用な人と不器用な人の違いで、『できるようになる』までに、時間の差は生まれますが、時間を掛けさえすればほぼできるようになるのです。
しかし、(A)と(E)のスタッフさんは、いつまで経っても新しいことができないかもしれません。
これは、スタッフさん本人だけの問題ではありません。
そのスタッフさんを見守る上司の問題でもあるのです。
◆『こんなこともできないのか?』
◆『いつになったらできるようになるのだ』
◆『ダメだな』という表情や仕草をするなど
このような『できないこと』を勘違いしている上司のもとでは、成長できるスタッフさんも成長しません。
それよりも、
◆『ここまでできなたね』
◆『できないことが分かってよかったね』
◆『この調子でやってね』と声掛けするなど
『できないこと』の本当の意味を分かっている上司のもとでは、確実にスタッフさんは成長していきます。
どうでしょうか?
『できないこと』の意味を一度見直してみて下さいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則