こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。
『自分目線で知らせるのでなく、もっとお客さん目線で伝えよう』と言われることがあります。
では、自分目線とお客さん目線では、どんな違いがあるのでしょうか?
販促物で伝える場合、私は、次のような違いを意識しています。
◆(A)自分目線とは、『こんな自分が、何をする』と、主に事実を知らせる伝え方
◆(B)お客さん目線とは、『こんなお客さんに、何ができる』と、主に解釈を伝える伝え方
あなたは、どうでしょうか?
お客さんは、『商品が欲しいのではなく、商品による体験が欲しい』と、よく言われます。
ここで言う『商品』とは、(A)の自分目線の『何をする』にあたり、『商品による体験』とは、(B)のお客さん目線の『何ができる』にあたるのでしょう。
例えば、
コンサルタントが、クライアントさんに、『販促の見直し』を提案する場合
◆どの販促物を、どのように見直すのか?
どれだけ丁寧に、(A)である『商品の特徴』の説明をしても、クライアントさんは興味を持ってもらえません。
なぜなら、クライアントさんは、『商品が欲しいのではなく、商品による体験が欲しい』からです。
例えば、
クライアントさんが、『資金が回らなくて、毎月の資金繰りで困っていた』とします。
この場合のクライアントさんに興味があるのは、『資金の手配』です。
金融機関からの融資ができるのなら問題ありません。
しかし、それが上手く行かないなら、本当に困っていることでしょう。
そんな時は、お客さんから借りるという方法もあります。
例えば、『回数券』や、『プリペイドカード』を買ってもらうという方法です。
もちろんこれだけでは、根本的な解決はしません。
なので、(B)である『利益を出して、資金が回り出す体験ができる』と、『何ができる』を伝えるのです。
この『何ができる』は、きっとクライアントさんも興味を持つと思います。
これが、自分目線で、『何をする』と主に事実を知らせることと、お客さん目線で、『何ができる』のか主に解釈を伝えることの違いです。
では、(A)の『何をする』である『商品の特徴』は、大切ではないのてしょうか?
いいえ、そうではありません。
この『商品の特徴』を、自分自身がハッキリ気付いていないから、『何をお客さんが体験できるのか?』がハッキリ伝えられないのです。
例えば、
◆(1)『この商品には、どんな特徴があるのか?』
◆(2)『その特徴を、どんなお客さんに伝えればいいのか?』
◆(3)『そのお客さんに、どんな体験をしてもらうことができるのか?』
この一連の流れを考えて行くことで、『商品の本当の特徴』が分かるのです。
そうすると、お客さん目線で、それを伝えることができるでしょう。
そして、それを、『どんな時のお客さんに、必要なのか?』、そのタイミングやその場面に合わせて伝えれば、よりお客さん目線になって行きます。
自分目線だけで考えると、どうしても手段である『何をする』に、意識が向いて自分勝手な説明になりやすいです。
そうではなく、最初はそうであっても、その後で、お客さん目線も一緒に考えると、結果である『何ができる』に、意識を向けることができます。
つまり、自分目線とお客さん目線の違いはありますが、実は、その両方が必要なのです。
どちらか一方だけでは、上手く行きません。
『何をする』と『何ができる』、ちょっと意識すれば、すぐに使い分けができますよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則