お客さんの求めているものは『悩みの解消』だけでなく、『望みの達成』もあります。
しかし、『望み』は『悩み』ほどハッキリしていないので、なかなか分かりづらいです。
そこで、『望み』を簡単な2つの軸で区分けしてみたいと思います。
2つの軸なので、全ての『望み』に当てはまりませんが、結構参考になるはずです。
まず、1つ目の軸は、次のような相反する望みになります。
◆『ラクしたい』
◆『楽しみたい』
『ラクしたい』とは、手間ひまかけずに、早く結果を出してラクしたいという望みです。
どちらか言うと、効率重視と言えるでしょう。
それに対して、『楽しみたい』とは、手間ひまがかかってもいいから、ゆっくり経過を楽しみたいという望みです。
どちらか言うと、効果重視と言えるでしょう。
これをタテ軸とします。
2つ目の軸は、次のような相反する望みになります。
◆『トクしたい』
◆『ソンしたくない』
『トクしたい』とは、自分一人だけ有利になりたい、他人よりもトクしたいという望みです。
どちらか言うと、自己重視の発想と言えるでしょう。
それに対して、『ソンしたくない』とは、他の人が同じことをやっているのに、自分だけ不利になるのはイヤだ、ソンしたくないという望みです。
どちらか言うと、集団重視で、周りの影響を受けやすい発想と言えるでしょう。
これをヨコ軸とします。
このタテ軸とヨコ軸を合わせたのが、下の望みの区分マップです。

このように区分すると、それぞれ(A)(B)(C)(D)の4つの望みに分けることができます。
これを元に、お客さんの望みをハッキリさせて、それを上手く刺激するのです。
理屈で説明すると、なかなか分かりにくいので、具体例を書いていきます。
<例えば>
クリーニング店さんが、店頭看板を作る場合
望みを刺激する相手は、『サラリーマンさんの奥様』です。
<ここから>
ご主人のワイシャツを一生懸命アイロン掛けしている奥様に
一週間分のアイロン掛けって大変じゃないですか?
プロの職人さんに任せると大変な家事が一つ減って、おまけにご主人さんもパリッとよりカッコ良く見られますよ。
いつも頑張っている奥様ほど、ラクできるとことはラクして自分の時間を作っている方が多いです。
今なら、ワイシャツ回数券を限定販売中!
<ここまで>
こんな感じで、奥様の望みを刺激します。
では、この事例は、先程のどの区分の望みを刺激しているでしょうか?
一度、考えてみて下さい。
どうですか?
分かりましたか?
答えは、主に(A)の望みを刺激しています。
奥様方のイヤな家事仕事の一番が、『アイロン掛け』です。
そんなイヤな家事仕事を、できるなら『ラクしたい』と望んでいます。
そして、このメッセージを読むと、『他の人は私と違うことをやっているようだ』、『私だけソンしたくない』となるのです。
どうでしょうか?
このようにして、(A)の望みが刺激されたとしたら、『たまには、ラクしてもいいか』となりやすいでしょう。
この刺激がきっかけで、一度クリーニング店を利用してしまうと、もう元のアイロン掛けには戻れなくなるのです。
そして、もしも、ご主人から、『最近、ワイシャツがパリッとしていて気持ちいいね』と、褒められたとしたら、(B)の望みも刺激されるので、この後も使い続けてもらえるでしょう。
もちろん、全てがこのように上手く行くとは限りません。
しかし、奥様の望みを刺激しなければ、このようなことはまずならないのです。
上の『望みの区分マップ』は、望みを簡単な2つの軸で区分けしていますので、使いやすいと思います。
お客さんの望みを刺激したくなったら、一度お試し下さい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則