こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。
『商売をするなら、どんなビジネスがいいだろうか?』と、いろいろ考えながら、今のビジネスをやっている社長さんが多くいます。
では、ビジネスを考える上で、前提となる条件とは、何でしょうか?
いろいろな考え方がありますので、一概には言えないですが、私は次の3つだと考えています。
それは、
◆(1)『客単価』
◆(2)『年間来店回数』
◆(3)『利用年数』
この3つです。
まず、最初に考えることは、(1)の『客単価』になります。
なぜなら、『客単価』が高い方が、多くのお客さんを集めずに、売上げや利益が見込めるからです。
<例えば>
(A)1カ月の売上げが150万円の美容室の場合
客単価が、『6000円』だと、必要客数が、『250名』必要です。
1日平均の必要客数が、『10名』の計算になります。
これが、
(B)1カ月の売上げが150万円の安価なアクセサリー店の場合
客単価が、『500円』だと、必要客数が、『3000名』必要で、
1日平均の必要客数が、『120名』にもなるのです。
1カ月の必要客数が、『250名』と『3000名』では、立地の選択や集客の方法も変わってきます。
この場合、多くのお客さんを集めるためには、その分だけ、家賃や販促コストが多くなるでしょう。
もしも、『客単価』が低くなったとしたら、150万円以上の売上げが必要になるため、もっと多くのお客さんを集めなければいけなくなるのです。
なので、『客単価』はとても大切の条件になります。
次に考えるのは、(2)の『年間来店回数』です。
この回数が多いと、『必要客数』が多い場合でも、お客さんの頭数である『顧客数』は少なくてすみます。
<例えば>
先程の(A)の美容室の場合
『年間来店回数』が、『3回』だったとします。
すると、
『必要客数 250名』×『12カ月』÷『年間来店回数 3回』=『顧客数 1000名』です。
これに対して、(B)のアクセサリー店の場合
『年間来店回数』が、『20回』だったとします。
すると、
『必要客数 3000名』×『12カ月』÷『年間来店回数 20回』=『顧客数 1800名』です。
先程の(A)の美容室と(B)のアクセサリー店の必要客数が、『250名』と『3000名』に比べると、顧客数が、『1000名』と『1800名』となって来ます。
これなら、(B)のアクセサリー店でも、何とかなりそうだと思いませんか?
どうでしょうか?
何となく、(1)の『客単価』と、(2)の『年間来店回数』が意味するところが、お分かりいただけたでしょうか?
この(1)の『客単価』と、(2)の『年間来店回数』を掛け合わせたものが、『お客さん1人当たり年間利用額』になります。
ここまでの前提条件をハッキリさせるだけでも、ビジネスを考える上で、とても考えやすくなるはずです。
でも、もう一つ大切な条件があります。
それは、(3)の『利用年数』です。
お客さんが1年間利用してもらった合計が、『お客さん1人当たり年間利用額』になります。
そのお客さんが、『この先何年利用してもらえるのか?』を表す数値が、『利用年数』です。
この数値は、先程の(1)の『客単価』や(2)の『年間来店回数』のように、簡単には分からないと思います。
しかし、『利用年数』が、1年なのか、3年なのか、5年なのか、大体の目安は分かるはずです。
これが分かると、新しいお客さんを獲得したら、そのお客さんの『総利用額』が分かり、将来の売上げまで分かってしまいます。
もちろん、新しいお客さんの全てがその『総利用額』になるとは限りません。
しかし、それでも、『新しいお客さんの内、何割がリピートしてもらえるか?』が分かり、『利用年数』が分かると、『新しいお客さん1人当たりの総利用額』が計算できるのです。
ここで計算すると、少しややこしくなるので、省きますが、『利用年数』が大切な条件であることに変わりありません。
なぜなら、『利用年数が、1年だった』とすると、そのお客さんは、『あなたのお店を1年で、飽きさせてしまったことになる』からです。
折角、利用してもらったお客さんを、1年で飽きさせてしまったら、もったいないと思いませんか?
では、『お客さんに飽きられないために何をすればいいのでしょうか?』
ここを考えることがとても大切です。
1年が3年になれば、その分お客さんが流出しません。
また3年が5年、7年になれば、もっと安定した売上げが見込めるようになるからです。
どうでしょうか?
◆(1)『客単価』
◆(2)『年間来店回数』
◆(3)『利用年数』
この3つは、ビジネスを考える上でとても大切な前提条件です。
まずは、『今、この3つの数値がいくらになっているのか?』を調べてみて下さい。
そして、『それが高められるとしたら、何をすればいいのか?』を考えてみましょう。
これが考えられるようになると、今のビジネスの明るい将来が見えて来ると思いますよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則