こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。
販促物を考える時に、『ターゲットを絞れ』と、よく言われます。
この『ターゲットを絞る』という意味を勘違いしている人が多いです。
『ターゲットを絞る』とは、『ターゲットをハッキリさせる』ことで、『ターゲットを小さく絞り込んで、後は捨てろ』ということではありません。
『ターゲットをハッキリさせる』とは、悩みや望みのあるお客さんで、それが上手くいかなくて困っている状況をハッキリさせるという意味です。
ここがハッキリすると、悩みを解消したいお客さんや、望みを叶えたいお客さんにメッセージが届きやすくなります。
それと、もう一つの勘違いが、『商品のウリを絞る』です。
これも、『商品のウリをハッキリさせる』ことで、『商品のウリを1つに絞って、後は捨てろ』ではありません。
先程の『お客さんをハッキリさせる』ことと同じように、『商品のウリをハッキリさせる』ことで、『こんな悩みで困っているお客さんに、こんなウリの商品はどうでしょうか?』と、伝えやすくなるのです。
このようにすることで、単に商品を売り込むよりも、お客さんに興味を持ってもらいやすくなるので、商品の良さを納得してもらえます。
では、『お客さんをハッキリさせる』ことと、『商品のウリをハッキリさせる』ことのどちらを先にすればいいでしょうか?
状況により違いはありますが、通常は、『お客さんをハッキリさせる』ことを先にします。
なぜなら、『お客さんの困っている状況』がハッキリすれば、それに合わせて『商品のウリ』を変えていけばいいからです。
逆に、『商品のウリ』にお客さんを合わせようとすると、多くのお客さんが望むことに合わせてしまうことが多いので、『商品のウリ』が、価値よりも価格になってしまいます。
多くのお客さんに売ろうとすると、『安売り』になるのはそのためです。
なので、『安売り』をしたくなかったら、『お客さんをハッキリさせる』ことから、先にハッキリさせて下さい。
ただ、例外として、『お客さんをハッキリさせよう』としても、まだハッキリとしたお客さんがいない場合は、『商品のウリをハッキリさせる』ことが、先になるでしょう。
例えば、よく例に出されるのが、『スマートフォン』です。
『スマートフォン』が出始めた時は、『商品のウリをハッキリさせる』ことによって、それを使いたいお客さんがだんだんハッキリして来ました。
だから、今は、『お客さんをハッキリさせる』ことはできるでしょうが、当初はそうではなかったはずです。
このように考えると、どちらが先かと言うよりも、『お客さんをハッキリさせる』ことと、『商品のウリをハッキリさせる』ことは、一対と考える方が良いでしょう。
言い方を変えると、『お客さんと商品のウリで、どのような組み合わせがいいのか?』を考えることが大切です。
そういう意味では、組み合わせはいくらあっても構いません。
可能なだけの組み合わせを作って、それが『どんな反応をするのか?』を確かめればいいのです。
そして、反応の良い組み合わせだけを残して、その中で一番反応した組み合わせを、主力の商品メニューにすれば売上げも伸びて行きます。
すると、しばらくは、その主力商品メニューが一番反応がいいはずです。
しかし、時代の変化と共に変わってくることもあるので、常に新しい組み合わせを考える必要があります。
◆(1)『お客さんをハッキリさせること』
◆(2)『商品のウリをハッキリさせること』
◆(3)『それらを組み合わせること』
◆(4)『組み合わせの反応を見ること』
◆(5)『反応の良い組み合わせをおすすめすること』
この流れの繰り返しがとても大切だと考えています。
『もういいか』と思って、組み合わせることをさぼってしまうと、思わぬ落とし穴にはまってしまうので、くれぐれも注意が必要です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則