最近、『マンガで分かる・・・』などの書籍が多くありませんか?
よく見かけるのが、文章の書籍を出版した後に、この『マンガで分かる・・・』とマンガで説明する書籍を出すケースです。
これは、『マンガが持つ力』を期待しているのだと思います。
『マンガが持つ力』とは、イメージしやすく、直観で分かりやすく、面白くて楽しいことではないでしょうか?
難しく考えなくても、スッと入って来る感じが、良いのでしょうね。
そんなマンガを使った販促物が、また増え始めています。
<例えば>
下の4コマ・マンガは、家庭教師を派遣する会社のチラシの中に掲載されているマンガです。
【タイトル】

【1コマ目】

【2コマ目】

【3コマ目】

【4コマ目】

こんな感じの4コマ・マンガです。
(1)この4コマ・マンガの登場人物は3人
◆『中学生の娘さん』
◆『家庭教師の先生』
◆『お母さん』
(2)ストーリーの構成は『起承転結』の4コマ
◆『起』のコマ
初めて家庭教師の先生が自宅に来る
『怖い人が来たら、どうしよう・・・』と不安になる娘さん
そこに、『こんにちは!』と先生が来る
◆『承』のコマ
『勉強で困っていることあるの?』とやさしく先生に尋ねられる
『あれ?やさしい!』とホッとする娘さん
『何が分からないかも、分からなくて・・・』と照れながら答える娘さん
◆『転』のコマ
『それなら!』と勉強のやり方のポイントを4つ伝える
転とは、ストーリーの転換点になるコマです。
『何が分からないかも、分からなくて・・・』と困っている娘さんに、『こんなやり方なら、解決しそうですよ』と4つのポイントにして伝えています。
◆『結』のコマ
実際に、問題を解いてもらう。
『どう?』と尋ねる先生
『すごい解けた、勉強って楽しいかも!』と実感する娘さん
それを見て、『良かったわ!』と安心するお母さん
こんな感じの『起』『承』『転』『結』の4コマを使ったストーリーです。
では、このマンガで伝えたい『ターゲット』は誰でしょうか?
『誰に、一番伝えたいのか?』です。
もちろん、『中学生の娘さん』もそうだと思います。
そのために、マンガにして、分かりやすく伝えようとしているからです。
それも、あるでしょう。
しかし、一番伝えたい相手は、『お母さん』になります。
あるいは、この出来事を『お母さん』から聞いた、『お父さん』かもしれませんね。
実はコレ、『勉強をして欲しいが、勉強嫌いで困っているお母さん』に向けた、『4コマ・マンガ』なんです。
それは、『タイトル』を見ればよく分かります。
『勉強嫌いの子ほど、大逆転できる』と伝えているキャッチコピーからです。
『困っているお母さん』に、『今は勉強嫌いでも、ちょっとしたコツさえ分かれば成績が伸びて、大逆転できるんですよ』と、気付かせています。
なので、この『タイトルの部分』が、実質の『転(ストーリーの転換点)』です。
4コマ・マンガ内の『転の部分』で、やり方を4つ示しているのは、『こうすれば、できる』と、『先生』が『娘さん』に伝えることで、実は、『お母さん』に、『大逆転できるかも』とイメージしてもらおうとしているのです。
どうでしょうか?
『タイトル』とたった『4コマのマンガ』だけで、娘さんとお母さんを刺激して、気付きを与えて、イメージさせようとしているのです。
これって、すごいと思いませんか?
これが、『マンガの力』であり、マンガを使った販促物が増えている理由でもあるのです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則