こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。
相手が何かの問題を抱えていて、その問題の解決策を探しているとします。
そして、その相手から、『この問題を解決するには、どうすればいいですか?』と聞かれた場合、あなたはどのような対応をするでしょうか?
例えば、
◆(A)『そんな時は、このように〇〇すればいいですよ!』と、答えを教える
◆(B)『それはお困りですね、どうされたのですか?』と、質問をして事情を聞く
もしも、(A)と(B)の場合だとしたら、どちらを選ぶでしょうか?
この場合、(A)が『ティーチング』と言って、先生が生徒に教えるように、問題の解決策を教える対応のやり方です。
一方の(B)が『コーチング』と言って、相手に解決策を気付いてもらえるように、あえて答えを言わない対応のやり方になります。
あえて答えを言わないのは、人により状況が違うので、自分自身で答えを導き出さない限り、納得できる行動ができないからです。
それと、(A)の教えてもらう習慣が身につくと、問題が起きるたびに他人に依存してしまい、自分で考えて行動できなくなってしまいます。
これは、(B)の『コーチング』が良くて、(A)の『ティーチング』が悪いと言っているのではありません。
相手の状況に合わせて使い分ける必要があると言っているのです。
例えば、もしも、相手の経験が少ない場合、知識や技術などをまず『ティーチング』で教える必要があります。
そして、ある程度経験が多くなると、今度は、答えを教えるのでなく、答えを引き出す『コーチング』が必要になり、自分で導き出すことにより育ちやすくなるのです。
つまり、『ティーチング』は、『答えが教える側にある』という考えで行い、『コーチング』は、『答えが相手側にある』という考えで行っています。
ただ、『ティーチング』にも基本があって、先ほどの『そんな時は、このように〇〇すればいいですよ!』といきなり答えを言ってしまってはいけません。
『ティーチング』の基本は4つです。
◆『誰に』
◆『なぜ」
◆『何を」
◆『どうする」
この4つを分かりやすく教えるのです。
この基本の4つとは、いつもお話している『店頭看板の骨格と流れ』とほぼ同じだと思います。
この中で、特に大切なのが、『誰に』と『なぜ』です。
『誰に、教えるのか?』と、『なぜ、教えるのか?』、ここがハッキリしないと上手く教えられないと思って下さい。
一方の『コーチング』は、『答えが相手側にある』という考えで行っていますので、『傾聴』と言われる聴き取りが特に大切になります。
先ほどの『それはお困りですね、どうされたのですか?』と、質問をして事情を聞いた後、次のようなやり取りが続くのです。
◆『どうなりたいのですか?』と、まず思いを聴きます。
そして、
◆『それで、何をしたのですか?』と、思いを成し遂げるための行動を聴くのです。
何らかの行動をしていたとしたら、
◆『結果、どうなりましたか?』と、結果を聴きます。
この『行動した結果どうなったのか?』という質問が特に大切になるでしょう。
なぜなら、どんなに知識や技術を教えてもらっても、実際に行動して結果を体験しない限り、何も分かっていないのと同じだからです。
この体験をしないことには、次のことは分かりません。
◆『それは、思い通りの結果でしたか?』と、最初の思いとの差を聴きます。
このことで、思い通りであれば、今の行動をそのまま続ければいいのです。
しかし、もしも、思い通りでなかったとしたら、
◆『どうなりたいのですか?』と、再度、思いを聴きましょう。
そして、
◆『そのために、何をしますか?』と、再度、思いを成し遂げるための行動を聴きます。
そして、その行動は『いつから始めて、いつ結果が出るのか?』を確認するのです。
結果が出た頃に、
◆『結果、どうどうなりましたか?』と、再度、結果を聴きます。
そして、
◆『それは、思い通りの結果でしたか?』と、再度の思いとの差を聴きます。
これの繰り返しです。
こうすれば、こちらが答えを教えなくても、自分で答えを引き出すようになります。
このような『コーチング』をする場合の大切なポイントは、3つです。
それは、『傾聴』と、『質問』と、『承認』になります。
『傾聴』と『質問』は、お話しましたが、『承認』とは、根気強く相手を認め、声を掛け続けることです。
これをやらないと、相手はすぐにあきらめてしまいます。
どうでしょうか?
最初は、『ティーチング』で知識や技術を教えて、ある程度経験すると、今度は、『コーチング』で行動と結果を引き出すと上手くいきやすいです。
どちらか一方に偏らず、両方を状況に合わせて使い分けて見て下さい。
これができれば、人は驚くほど育っていきますよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則