『集める・売る・作る』この流れを取り入れよう | 値上げができる店頭看板の考え方・作り方

値上げができる店頭看板の考え方・作り方

もしも今、みんながサボらず一生懸命働いていて、利益が思うように出ていないのだったとしたら、それは単価が低いのが原因です。思い切って値上げをしてみませんか? 店頭看板を通じて、値上げができる考え方をお教えします。

こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。



売上げが伸び悩んだ時に、人件費を増やさずに改善する方法があります。

それは、生産部門のスタッフさんを営業部門のスタッフさんへシフトするやり方です。

売上げが伸び悩んでいるのですから、生産部門のスタッフさんに余力が生まれるため、その分を営業部門のスタッフさんに回すというやり方になります。

この考え方は、確かにその通りなのですが、実際はなかなか上手く行きません。

なぜなら、生産部門のスタッフさんは、『作ること』しか考えていない人が多いからです。

通常、売上げを上げるためには、次のような流れが必要になります。


それは、

◆(1)『見込みのあるお客さんを集めること』

◆(2)『集めたお客さんに、商品を売ること』

◆(3)『売った商品を、実際に作ること』

生産部門と営業部門がある会社では、大体このような流れになります。



このような流れの中で、生産部門のスタッフさんが関心があるのは、(3)の『売った商品を、実際に作ること』だけです。

なので、(1)の『見込みのあるお客さんを集めること』も、『集めたお客さんに、商品を売ること』も、全く関心がありません。

なぜなら、今は、売上げが伸び悩んでいるので営業部門に来ているが、そもそも自分自身は生産部門なので、いずれ生産部門に戻れるものと思っているからです。



どうでしょうか?



このことは、上のような生産部門と営業部門が分かれている会社だけの問題ではありません。

部門としては分かれていませんが、一人で生産と営業をしなければいけないお店でも同じことが言えるのです。



例えば、美容室のスタイリストさんの場合も、こんな問題があります。

上の流れの中でスタイリストさんも、やっぱり、(3)の『売った商品を、実際に作ること』に関心がありますが、(1)の『見込みのあるお客さんを集めること』や、(2)の『集めたお客さんに、商品を売ること』には、あまり積極的ではなさそうです。



<例えば>

スタイリストさんが、お客さんの要望通りのヘアーをカットする場合、カットした後で、短くなった髪型を鏡で見てもらい、『短くしました、どうですか?』と、お客さんに確認したとします。

お客さんが、『いいですよ』と言えば、このままで次の工程に行き、『ここを、もうちょっとこうして』と言われれば、その要望に従って、また作業をするのです。

そして、次の工程に行っても、また同じことを繰り返します。



どうでしょうか?



これは、当たり前と言えば当たり前なのかもしれません。

しかし、この作業は、『作ること』を重視しているからこうなると思います。

もしも、このスタイリストさんが、『集めること』を意識していたとしたら、お客さんとの会話も変わってくることでしょう。

では、どう変わるのか?というと、



まず、『短くしました、どうですか?』とは言わず、『見た目の印象が、このように変わりました』と言うでしょうね。

そして、鏡を出して、『横顔が、こんなにスキットしています』と、見た目の印象を伝えると思います。

その後、お客さんとのやり取りが続いて、最後に、

『このスタイルを維持するために、次回の施術日の目安は、〇月〇日か、〇月〇日くらいがいいのですが、どうでしょうか?』と、次回の来店日の仮予約を取っているかもしれませんね。



また、もしも、このスタイリストさんが、『売ること』を意識しているとしたら、『このスタイルは、自宅でのケアが大切です』、『今日使った、この商品を毎日使われることをおすすめします』と、声掛けしたと思います。


念のために言っておきますが、これは何も、『売上げが上げたい』から言っているのではありません。

『お客さんに喜んでもらいたい』からお伝えしているのです。

お伝えした後は、その通りに『やるか、やらないか』は、お客さんが選べばいいことになります。



このように、売上げが伸び悩んで来た時は、『作ること』ばかりで、『売ること』や『集めること』が、『おろそかになっていないのか?』を一度チェックしてみて下さい。

◆(1)『見込みのあるお客さんを集めること』

◆(2)『集めたお客さんに、商品を売ること』

◆(3)『売った商品を、実際に作ること』


この3つの流れを全員がちょっとだけ意識すれば、人件費を増やさずに売上げが改善して行くことになると思いますよ。



最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則