こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。
社長さんの悩みの中で、お金に関わることが多くあります。
お金に関わることとは、『お金を稼ぐこと』、『お金を使うこと』、『お金を残すこと』、この3つです。
この中で、どれが一番の悩みだと思いますか?
ちょっとイメージしにくいので、もう少し具体的に、経営上の数字を使って分けてみますね。
◆(A)『売上げを稼ぐこと』
◆(B)『原価や経費を使うこと』
◆(C)『利益を残すこと』
この3つです。
つまり、(A)の売上げを増やし、(B)の原価や経費を減らし、(C)の利益を増やす時、『どれを一番重視しなければいけないのか?』ということになります。
どこでしょうか?
このように置き換えると、(A)の『売上げを稼ぐこと』も重要ですが、やっぱり、(C)の『利益を残すこと』が一番重視にしなければいけないと考える社長さんが多いのではないでしょうか?
なぜなら、結局、どんなに売上げを稼いでも、最終的に、利益が残らなければ会社の経営が上手く行かないからです。
このように考えて、社長さんが(C)の『利益を残すこと』を重視するようになると、利益が残り出します。
そうすると、ある問題が起こるのです。
それは、『税金の問題』になります。
本来は、利益が出たのだから、税金を支払うのは当然なのですが、頭で分かっていても、やっぱり、税金を支払いたくないと考えてしまうのです。
そんなことをしばらくやっていると、税務署から『税務調査』が入り、申告内容に誤りがないかを調べられることになります。
では、この税務署員さんは、先程の(A)、(B)、(C)の項目のどの項目を重視しているでしょうか?
ここを知っておくと、対応が比較的スムーズになります。
社長さんが重視していることは、(C)の『利益を残すこと』です。
では、立場の違う税務署員さんは、何だと思いますか?
答えは、
税務署員さんが、一番重視する傾向があるのは、(A)の『売上げを稼ぐこと』になります。
理由は、一番大きな数字を重視していないと、『木を見て、森を見ず』となり、肝心なところを見誤ってしまうからのようです。
つまり、一番大きな数字の『売上げの過少申告』には、特に注意しています。
『売上げの過少申告』に関しては、結構敏感で、社長さんが勝手に商品やサービスを使った場合も『過少申告』とみなされるようです。
例えば、
『美容室のオーナーさんが、無料でカットやカラーをする』
『クリーニング店の社長さんが、無料でジャケットなどをクリーニングする』
『パン屋の店長さんが、勝手にパンを自宅に持ち帰る』など
常習とみなされると、遡って、『修正申告』を求められるので、結構な額になります。
なので、本来申告しなければいけないのに、申告していない場合、悪質と見なされれば、『重加算税』などのとても厳しい処分となるのです。
余談ですが、では、税務署員さんは、どのようにして、『売上げの過少申告』を見つけ出そうとしていると思いますか?
これは、いろいろとあるようです。
例えば、
そもそも、売上げは、仕入先や販売先などから、裏付けが取りやすいため、事前の調査で裏付けを取ってから、『申告された売上げとにズレがないのか?』を見ることもあります。
また、売掛金などの『受取勘定』と、売上げとの関係を見る『受取勘定回転率』も、よく見ているようですね。
この指標が、前年度や前々年度と大きく違っているようでしたら、『売上げの過少申告』の疑いを持たれてしますので、注意しましょう。
話を戻して、
次に重視するのは、(B)の『原価や経費を使う』の中の原価の部分です。
理由は、原価は売上げに次ぐ大きな数字になるからだと思います。
しかし、原価には、大きな変化が少ないので、『在庫の過少計上』を注意するくらいのようですね。
では、経費はどうかというと、項目は多いのですが、それぞれの数字が小さいため、ある程度は大目に見てもらえるとか。
最後の(C)の『利益を残す』に関しては、すでに税金が確定していますので、ほとんど気にされません。
このように、『利益を残すのか』、『税金を取るのか』、立場が変われば、『何を重視しなければいけないのか?』が、まったく違って来るのです。
もう一度聞きます。
あなたが、一番重視しなければいけないのは、何ですか?
税務署員さんのように、一番大きな数字の(A)の『売上げ』ですか?
それとも、経営を左右する(C)の『利益』ですか?
一度考えてみて下さい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則