こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。
あるクリーニング店さんの営業会議でのやり取りの一部です。
→わたし『お客さんは何のためにクリーニング店に来ると思いますか?』
◆スタッフさん『衣類をキレイにするためだと思います』
→わたし『なるほど、そうですね』
→わたし『では、お客さんは何のために衣類をキレイにすると思いますか?』
◆スタッフさん『う~ん、また着るためだと思います』
→わたし『そうですね、その通りですね』
→わたし『他にもありますか?』
◆スタッフさん『長く着るためかもしれませんね』
→わたし『なるほど、そうですね』
→わたし『他にはありませんか?』
◆スタッフさん『他には・・・』
こんな感じで10個ほどの理由と思われる項目を上げて、『アンケート用紙』を作りました。
お客さんには、『あなたは何のために衣類をキレイにしますか?』と問い掛けて、該当する項目に複数回答して下さいと、お願いしました。
アンケート用紙は、お客さんが来店時に店頭でお渡しし、その場で記入してもらうか、次回来店時に持参してもらうか、どちらかで行いました。
では、今回のアンケートの目的は、何でしょうか?
アンケートは、目的によって問い掛ける内容が変わって来ます。
今回の目的は、『お客さんがクリーニング店に求めている価値を知るため』です。
それと、それを知ることで、『お客さんへの接客対応に役立てるため』に行いました。
このように、アンケートの目的は大切です。
目的がないと、『ただアンケートを取っただけ』と、なってしまいます。
それで、今回のアンケートの複数回答の結果が次のような内容でした。
『あなたは何のために衣類をキレイにしますか?』
◆お気に入りを長持ちさせるため(74%)
◆また着れるようにするため(73%)
◆スッキリ片づけるため(51%)
◆清潔感を出すため(50%)
◆身だしなみをよくするため(49%)
◆着心地をよくするため(44%)
◆デリケート素材を風合いよくするため(32%)
◆第一印象をよくするため(14%)
◆上品に着こなすため(13%)
◆堂々と安心感を出すため(10%)
こんな感じの結果になりました。
これは、あくまで、このお店の傾向であって、他のお店ではまた違った結果になるかもしれません。
この結果を見てどう思いますか?
おそらく、『ふ~ん、そうなんだ』くらいで終わってしまうと思います。
でも、それではいけません。
なぜなら、今回のアンケートの目的が、『お客さんがクリーニング店に求めている価値を知るため』と、『お客さんへの接客対応に役立てるため』だからです。
では、どうすれば目的を果たすことができるのでしょうか?
色々なやり方がありますが、『今回の回答を、次の2つのタイプのお客さんに分けたらどうなるのか?』と考えます。
※(A)『自分中心で考える人』
※(B)『まわりの目を気にする人』
なぜこのような2つのタイプを選んだかと言うと、真逆で分かりやすいからです。
『この人達は、先程のアンケートの回答のどちらを答えるだろうか?』と想像してみるのです。
もちろん、全てが2つにハッキリと分けられるとは限りません。
でも、細かいことは考えず、とにかく分けてみるのです。
そうすると、このように分れました。
※(A)『自分中心で考える人』
◆お気に入りを長持ちさせるため(74%)
◆また着れるようにするため(73%)
◆スッキリ片づけるため(51%)
◆着心地をよくするため(44%)
◆デリケート素材を風合いよくするため(32%)
※(B)『まわりの目を気にする人』
◆清潔感を出すため(50%)
◆身だしなみをよくするため(49%)
◆第一印象をよくするため(14%)
◆上品に着こなすため(13%)
◆堂々と安心感を出すため(10%)
どうでしょうか?
何となく、2つのタイプの『お客さんの特徴』が想像できるでしょうか?
ここから想像するこの2つのタイプの『お客さんの特徴』は、
※(A)『自分中心で考える人』
◆手間を省いて効率よくしたい
◆『〇〇だけでいい』が口ぐせ
◆何かのきっかけが欲しい
※(B)『まわりの目を気にする人』
◆手間を掛けて効果を期待したい
◆『〇〇したい』が口ぐせ
◆ヒトのつながりを大切にしたい
まあ、こんな感じが想像できたとします。
『このことから、何が分かるのか?』と言うと、アンケートの回答で、『お客さんがクリーニング店に何を求めているのか?』が、何となく分かります。
そして、その後の2つのタイプのお客さんの分類で、『お客さんへどのように接客対応すればいいのか?』が、何となく分るのです。
なぜなら、上のようなことが全く分からずに接客対応すると、『同じような接客対応しかできない』のが、上のようなことを理解して接客対応すると、『お客さんに何を提供しなければいけないのか?』が分かるようになって来ます。
そうすると、結果として、お客さんに喜ばれるのです。
喜ばれると、リピートしてもらえますし、客単価も増えて来ます。
どうでしょうか?
アンケートは目的を持って行うと、とても効果があります。
もしも、あなたのお店で、『お客さんは何を求めて来られているのだろうか?』と疑問に思ったら、一度目的を持ってアンケートを取って見て下さい。
きっと、『あっ、そうなんだ』という驚きの回答が一杯あると思いますよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則