こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。
あなたは、『PDCAサイクルを回す』という言葉をご存知でしょうか?
PDCAサイクルとは、アメリカのデミング博士によって唱えられた、『業務効率の改善』などを目的としたマネジメントの考え方になります。
主に、生産製造部門で使われることが多いです。
簡単に説明すると、Plan(計画)→Do(実行)→Check(反省)→Act(分析)の4つのサイクルを繰り返すことで、業務効率の改善などを行うものになります。
4つのサイクルの頭文字を取って、『PDCAサイクルを回す』となるのです。
この主に生産製造部門で使われているPDCAサイクルを、『もしも販売販促部門で使うとしたらどうなるのか?』を考えてみたいと思います。
この場合、生産製造部門と販売販促部門で、『前提の違い』があることに注意しなければいけません。
それは、『問題の捉え方』です。
生産製造部門では、『問題が無いこと』を前提で考えて行きます。
なぜなら、『問題は悪いこと』で、あってはいけないと捉えているからです。
しかし、販売販促部門では、『問題があること』を前提にしています。
なぜなら、お客さんに問題がなければ、商品を販売することができないからです。
つまり、『問題は良いこと』と捉えています。
なので、『(P)の計画』からではなく、『(C)の反省』から始める必要があるのです。
例えば、こんな感じになります。
◆(1)『(C)の反省』
現状の問題を反省し振り返る
◆(2)『(A)の分析』
よい結果になる原因を分析する
◆(3)『(P)の計画』
原因への対策を立て計画する
◆(4)『(D)の実行』
立てた計画の行動を実行する
どうでしょうか?
これを、いつもの販促物の流れに置き換えて、『文章のひな型』にしてみます。
例えば、こんな感じです。
◆(1)『(C)の反省』
こんな問題ありませんか?
◆(2)『(A)の分析』
こんな原因があるんですよ!
◆(3)『(P)の計画』
それで、こんな対策をすると、こんな結果になります。
◆(4)『(D)の実行』
まずは、こちらの行動から!
ちょっと、こじつけ感もありますが、何となく分って頂けますでしょうか?
ここで、この販促物の流れである『CAPDの流れ』を、『もしも生産製造部門の人が使うとしたらどうなるのか?』を考えてみたいと思います。
先程と逆の発想です。
生産製造部門の人からすると、製品が中心になるので、どうしても、『(P)の計画』から始めようとします。
すると、どうなるかと言うと、
◆『(P)の計画』
こんな対策をすると、こんな結果になります。
◆『(D)の実行』
まずは、こちらの行動から!
こんな感じで、バリバリの商品中心の販促物の出来上がります。
これは、販売販促部門の人でも、頭の中が生産製造部門の考えをしていたら、同じ結果になると言えるのです。
では、どうしてこのようになるのでしょうか?
それは、『(C)の反省』→『(A)の分析』という考え方ができないか、あるいは例えあったとしても、それを考える時間が不十分で、しっかりとまとめられないからです。
そのため、『(P)の計画』→『(D)の実行』だけの販促物になると思います。
本来は、『(C)の反省』→『(A)の分析』→『(P)の計画』→『(D)の実行』とならなければいけません。
しかし、『(C)の反省』→『(A)の分析』の考えがないか不十分であるために、お客さんに届きにくいメッセージとなってしまいます。
どうでしょうか?
生産製造部門で『PDCAサイクルを回す』場合でも、『P→D』後の『C→A』が、『次のP→次のD』を決める上で、とても重要になります。
販売販促部門でも同じで、『C→A』の『問題と原因』がハッキリしているからこそ、『P→D』への『対策と行動』につなげやすいのです。
結果的に、商品を売りやすいメッセージとなります。
生産製造部門の人だけでなく、販売販促部門の人も、
◆(1)『(C)の反省』
こんな問題ありませんか?
◆(2)『(A)の分析』
こんな原因があるんですよ!
ここをしっかり考えて、商品につなげて下さいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則