『店頭看板の流れ』と『AIDMAの法則』を比べてみました。 | 値上げができる店頭看板の考え方・作り方

値上げができる店頭看板の考え方・作り方

もしも今、みんながサボらず一生懸命働いていて、利益が思うように出ていないのだったとしたら、それは単価が低いのが原因です。思い切って値上げをしてみませんか? 店頭看板を通じて、値上げができる考え方をお教えします。

こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。



店頭看板を書く上で大切にしてる骨格と流れがあります。

いつも書いている骨格と流れは次の通りです。

◆(1)問題
『こんなあなたに、こんな問題はありませんか?』


◆(2)原因
『これには、こんな原因があるんですよ!』


◆(3)結果
『それが、こんな結果になります』


◆(4)対策
『それには、こんな対策が必要です』


◆(5)行動
『まずは、こちらから行動して下さい』



いつもお伝えしている『店頭看板の流れ』は、多少の変化はありますが、大体こんな感じです。

この流れと同じようなものに、有名な『AIDMAの法則』があります。

こちらは、アメリカのローランド・ホール氏が広告宣伝におけるお客さんの消費行動の頭文字を取ってまとめたものです。

もう90年も前の考え方ですが、今でも十分使えると思います。

その『AIDMAの法則』の構成は次の通りです。


◆(A)注目
『消費者に呼び掛けて、注目させる』


◆(I)興味
『知らないことに、興味を持たせる』


◆(D)欲求
『詳しく知らせて、欲しくさせる』


◆(M)記憶
『いつか買おうと、記憶させる』


◆(A)行動
『買う、行動を起こさせる』



こんな感じの構成です。

どうでしょうか?

若干の違いはあっても、何となく似ていると思いませんか?

人によっては、『似てるのでなく、真似したのでは?』と思う人もいるかもしれませんね。

『店頭看板の流れ』は、どちらかと言うと、論理的具体的な流れになっています。

それに比べて、『AIDMAの法則』は、どちらかと言うと、心理的抽象的な構成のようです。



試しに、2つを結びつけてみます。


◆(ア)問題に注目させる
『こんなあなたに、こんな問題はありませんかと、呼び掛けて注目させる』


◆(イ)原因に興味を持たせる
『これには、こんな原因があるんですよと、知らないことに興味を持たせる』


◆(ウ)結果を欲求させる
『それが、こんな結果になりますと、詳しく知らせて欲しくさせる』


◆(エ)対策を記憶させる
『それには、こんな対策が必要ですと、いつか買おうと記憶させる』


◆(オ)行動を起こさせる
『まずは、こちらから行動して下さいと、買う行動を起こさせる』




どうでしょうか?

2つを結びつけても、違和感がないように思います。


少し気になるポイントは、(エ)の『対策を記憶させる』の中の、『いつか買おうと記憶させる』という言い回しです。

ここで問題になるのは、『いつか・・・』がどれだけの期間かということでしょう。

このAIDMAの法則が考えられた90年前なら、3日間、3週間、3カ月の『長期記憶』だったかもしれません。

しかし、現在では、30分間、3分間、3秒間という、『短期記憶』になりそうです。

例え記憶の期間が短くなったとはいえ、感情で『買おうと決めた』が、理性が『でも本当に買ってもいいのか?』と再確認の問い掛けをするのです。

その間の短い時間の記憶が、今でも必要になります。


そして、その後すぐに行動させないと、記憶は忘れさられて、もう行動しなくなるのです。

なので、(オ)の『行動を起こさせる』はとても大切になります。

だから、(オ)の冒頭で、『まずは・・・』とか、『今すぐ・・・』とか、『お早目に・・・』などの行動を促す言葉を使って、行動を起こさせようとするのです。


これは、お店が買わせたいからではありません。

あれこれ考え出すと、行動できなくなるのが分っているから、考える暇を与えないようにしているのです。




それと、もう1つ注意するポイントがあります。

それは、(ア)から(イ)の部分です。

◆(ア)問題に注目させる
『こんなあなたに、こんな問題はありませんかと、呼び掛けて注目させる』

◆(イ)原因に興味を持たせる
『これには、こんな原因があるんですよと、知らないことに興味を持たせる』



『問題に注目させて、原因に興味を持たせる』


この最初の段階で、『えっ』と思わせることが重要になります。

この部分の意味は、『現状に疑問を持たせて、新しい解釈に気付かせる』という意味です。

ここが弱いと、次の(ウ)の『結果を欲求させる』が魅力的にならなくなります。



どうでしょうか?

何となく使えそうでしょう。



いずれにしても、このような流れや法則を使いこなすことができると、お客さんにメッセージを伝えて行動させやすくなります。

どちらか使いやすいほうを一度試してみて下さいね。




最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則