お店にある商品の名前は、どのように付けているでしょうか?
おそらく、モノを表す商品名が付いていることが多いでしょう。
しかし、それではもったいないというお話をします。
なぜなら、商品のネーミングで価値が変わってくるので、その対価の価格も違ってくるからです。
<例えば>
スーパーで売っている『訳ありリンゴ』の場合で考えてみますと、
通常、リンゴはいくつかの基準をクリアーしたリンゴが、例えば『1個198円』とかで売られます。
しかし、何か1つでも基準にクリアーしていないリンゴは、袋売りで『訳ありリンゴ』として売られることがあるのです。
◆(A)のお店の『訳ありリンゴ』のPOP

青森県産 『訳ありサンふじ(徳用袋)』
※サイズや形は不揃いですが、食味には変わりありません。
1袋 298円(税込322円)
このリンゴのネーミングは、『訳ありサンふじ(徳用袋)』です。
一応、説明文で、サイズや形は不揃いでも味に変わりはないと説明していますが、訳ありだから、見切り価格の298円(税込322円)となっています。
では、こちらのリンゴはどうでしょうか?
同じ、『訳ありサンふじ』の袋売りです。
◆(B)のお店の訳ありリンゴの写真

青森県産 『サンふじ 中身で勝負!』
※天候の影響等により、外観にサビ・スレ傷などが発生しました。味に変わりはありません。お値打ち価格でお届けします。
このリンゴのネーミングは、『サンふじ 中身で勝負!』です。
説明文もあって、先ほどの文章より若干詳しく書いていますが、内容はほぼ同じだと思います。
では、もしも、あなたがこのネーミングでこのリンゴを販売するとしたら、いくらの価格を付けるでしょうか?
一度考えてみて下さい。
(A)と同じく、1袋298円(税込322円)と付けるでしょうか?
それとも、ちょっと高く、1袋398円(税込430円)とするでしょうか?
ひょっとしたら、もうちょっと高く、1袋498円(税込538円)とするかもしれませんね。
どうでしょうか?
実際の売価は、1袋398円(税込430円)で販売されていました。
スーパーが違うので、厳密には同じ『訳ありリンゴ』ではないかもしれません。
しかし、(A)のお店で、もしも、『中身で勝負できる、訳ありサンふじ』というネーミングで販売していたら、1袋398円(税込430円)で売れていたかもしれないのです。
たかが、100円と思わないで下さい。
ネーミングを変えるだけで、価値が変わったのです。
この発想があるかないかで、その他の商品にも同じことが言えるとなると、1年間でどれくらいの差になるか想像して見て下さい。
◆(A)訳ありだから、弱みを弱みとして、見切り価格で販売する
◆(B)訳ありだけど、弱みより強みを『ネーミング』に出して、価値を伝えて販売する
商品は同じでも、『ネーミング』、1つで価値は上がるのです。
このことに気付いたお店と、気付いていないお店とでは、最終的な利益額に大きな差が出ます。
ここで、『ネーミングの簡単な付け方』をお話します。
基本形は、次のような感じです。
◆(1)こんな特徴のある
◆(2)こんな条件の
◆(3)商品名
これらの組み合わせになります。
先程の例でいくと、『(1)中身で勝負できる(2)訳あり(3)サンふじ』です。
こんな特徴とは、『こんな悩みが解決できる』とか、『こんな望みが叶えられる』とかになります。
こんな条件とは、『〇〇専用の』とか、『〇〇な人限定の』とかです。
『ネーミング』の付け方は、他にも色々ありますが、こんな簡単なことを知っているだけでも、あなたの商品の価値を高めることができます。
あなたの商品の今の『ネーミング』で、損していませんか?
『ネーミングは、大切だ』と言うお話でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則