こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。
売上げを作る上で重要な指標に、『年支出額』と呼ばれるものがあります。
これは、1人のお客さんが1年間で、『どれだけの金額を使ってもらったか?』を示す数字です。
この額が大きいほど、大切なお客さんと言えるでしょう。
そんな『年支出額』ですが、お店のスタッフさんは、意外と知りません。
なぜなら、目の前のお客さんが、1年間で、『どれだけの金額を使ってくれているのか?』、すぐに分からないからです。
そこで、スタッフさんに、『年支出額』を意識してもらうために、各店舗ごとの『年支出額』が大きい順に、『ベスト10』を書いてもらうことにしました。
やり方は、簡単です。
<例えば>
〇〇店 記入者〇〇
1位 お客さんの名前
2位 お客さんの名前
3位 お客さんの名前
4位 お客さんの名前
5位 お客さんの名前
6位 お客さんの名前
7位 お客さんの名前
8位 お客さんの名前
9位 お客さんの名前
10位 お客さんの名前
これだけです。
5分~10分で書き出せます。
やり方のポイントは、まず、上位に来るだろうと思われる『お客さんの名前』を書き出して、その後で、順位づけするのです。
このほうが、いきなり、『1位 お客さんの名前』、『2位 お客さんの名前』とするより書きやすいと思います。
でも、やり方はそれぞれ自分のやりやすい方法でいいので、1位~10位までを書いてもらうのです。
全員が書き終わったら、あらかじめ用意していた、各店舗の1位~10位のお客さんリストを渡して、答え合わせしてもらいます。
順位とお客さんの名前がピッタリ合っているかどうかをチェックするのです。
結果は、なかなか難しいようで、1人~2人のお客さんくらいしかピッタリ合いません。
結果に対して感想を聞くと、『えっ、このお客さんは、こんなに使われていたのか?』とか、『あれ~、このお客さんが、10位までに入っていない?』とか、現場の感覚と実際の数字とでは若干のズレがあるようです。
さらに、答え合わせをしているスタッフさんに、『予想外に年支出額が上位に来られているお客さんに対して、今後どうされますか?』と、聞いてみました。
すると、『今まで、以上に丁寧に接します』とのことでした。
では、『なぜ、このようなズレがでるのでしょうか?』
これは、『年支出額』は、お客さんの1年間の『来店回数』と、その時使う1回当たりの『客単価』という2つの要素で決まっていて、どちらか言うと、『来店回数』が多いお客さんは、数字で表れる金額よりも多く使われているように感じるようです。
つまり、『来店回数』が多いお客さんほど、スタッフさんとの関係性が強くなっているのかもしれません。
逆に、1回当たりの『客単価』が多いお客さんは、1回当たりの金額は多いけど印象が残りにくくなるようです。
ということは、それだけスタッフさんとの関係性が弱いのかもしれませんね。
この関係性は、お客さん側から見ても同じことが言えると思います。
このように考えてみると、『来店回数』が多いお客さんで、『年支出額』が大きいお客さんは、特に大切にする必要がありそうです。
この当たりは、お店の状況によって、一概には言えないかもしれません。
それでも、スタッフさんに『年支出額』の大きい順に、『ベスト10』を書いてもらうだけで、色々な特徴が分るようになります。
一度試してみて下さい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則