地域の経済対策の1つとして、消費喚起のための『プレミアム商品券』が好評で、即日完売のところも多いようです。
このプレミアム商品券は、例えば、『1000円で1200円分使える』、還元率20%のプレミアムがウリで、とにかくよく売れています。
消費者側からすると、プレミアムなお得感が魅力です。
一方、商品券を発行している地方自治体側からすると、商品券を販売するだけで、まだ消費されていなくても消費が確定し、おまけに現金が先に手元に入って来るメリットがあります。
その後、プレミアム商品券が使われて、一定の経済効果が得られるのです。
おまけに、プレミアム分は、国からの支援金で賄えるので、嬉しいことこの上ないと思います。
しかし、今回、このプレミアム商品券を使ったお客さんは、その後、またそのお店に行くでしょうか?
大型店やいつも使うお店には、行くかもしれません。
しかし、それ以外のお店には、たぶん、商品券を使い終われば、それで終わりだと思います。
ここが、この『プレミアム商品券』の問題点で、一時的なものなのです。
しかも、このような経済対策は、もうしばらくは無いと思います。
発行する側の地方自治体は、プレミアムなお得感だけを、刺激して消費を促進するだけでいいのかもしれませんね。
しかし、これに参加しているお店はそうではなく、また次も来店してほしいはずです。
プレミアム商品券はきっかけであって、本来、リピートしてもらわなければ意味が無いと思います。
つまり、一過性で終わらせては、いけないのです。
今回は、地方自治体の『プレミアム商品券』のことをお話していますが、これはお店が発行する『回数券』でも同じことが言えます。
回数券の一番の目的も、やっぱり『リピート』です。
それをただ、安いから、お得だからだけの理由で販売していては、今回の『プレミアム商品券』と同じく一過性で終わってしまいます。
◆『どんなお客さんに継続してリピートしてもらいたいのか?』
◆『継続してリピートしなければいけない理由は何か?』
最低でもこの2つをハッキリさせたいですね。
これをハッキリさせてから、
◆『今なら、お得です』
と伝えてあげる必要があるのです。
<例えば>美容室で、白髪が気になる40~50代の女性に、白髪染めの回数券を販売する場合のPOP(抜粋)

<例えば>クリーニング店で、真夏のアイロン掛けが大変な奥さんに、ワイシャツ回数券を販売する場合のPOP(抜粋)

このように、しっかりとメッセージを伝えましょう。
この回数券を使うことで、お客さんの生活がどう変わるのか?
新しい解釈に気付いてもらいましょう。
その上で、便利で使いやすく、しかもお得に使える回数券をオススメするのです。
『なぜ、プレミアム商品券なのか?』
『なぜ、回数券なのか?』
お得感以外の価値をしっかり伝えることで、一過性で終わらせない、リピートする理由と、新しい解釈が必要だと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則