店頭看板の事例(イタリア料理店のお誕生日特典) | 値上げができる店頭看板の考え方・作り方

値上げができる店頭看板の考え方・作り方

もしも今、みんながサボらず一生懸命働いていて、利益が思うように出ていないのだったとしたら、それは単価が低いのが原因です。思い切って値上げをしてみませんか? 店頭看板を通じて、値上げができる考え方をお教えします。

こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。

イタリア料理店さんの『お誕生日特典』に関する気になる店頭看板の事例を紹介します。

【現状の店頭看板の書き方】

 
 
 

【コメント】

イタリア料理店さんが、お客さんの誕生日に『お誕生日特典』をプレゼントすることをお知らせしている店頭看板です。

この特典、なかなかできるようで、できない勇気がいる特典だと思います。

なぜなら、このような特典を考える場合、すぐに、『悪いこと』を想像してしまうからです。

例えば、

もしも、一日中、お誕生日特典を要求するお客さんだけだったらどうしよう。

もしも、お誕生日特典だけで、他は何も頼まれなかったらどうしよう。

もしも、そんな日が毎日続いたらどうしよう。

などなど、『悪いこと』想像したらきりがありません。


では、このお店はどうして、このような店頭看板で、特典をプレゼントしているのでしょうか?

考えられることは、2つあります。

1つは、新しいお客さんに対しての『きっかけ作り』のための販促策としてです。

お客さんが、何か行動を起こそうとする時、『きっかけ』があると行動しやすくなります。

誰にもある『お誕生日』を使って、そんな『きっかけ』を作り出そうとしているのです。


もう1つは、既存のお客さんに対しての『日頃のお礼』として、年に一度の特別な日に『還元』しようとしているのではないかと想像します。

この当たりのことを、ちょっとお知らせしてもいいとですね。



ちょっと変更すると、もっとよくなるポイントを、下の流れで説明していきます。

『>』が原文。

『→』が説明文。

『◆』が変更文。




【現状看板の文章】

>Happy Birthday
>本日お誕生日を迎えられたお客様
>おめでとうございます!
>お誕生日当日にご来店頂いたお客様に
>Lunchset または パスタ1品
>私たちがおごらせて頂いております!
>保険証、免許証など
>お誕生日を証明できる物を
>御持参の上、ぜひご来店下さい!
>スタッフ一同
>心より御来店お待ちしております。




→まず、お誕生日なので、『お客様』より、『あなたに』と呼び掛けたいですね。

→そして、『なぜ、おごらせて頂くのか?』の理由をしっかり伝えましょう。

→そのほうが、こちらの想いが伝わって、メッセージが届きやすくなります。

→既存のお客さんへの『日頃のお礼』だけでなく、新しいお客さんへの呼び掛けも忘れずに行い、必要な物を用意してもらいましょう。

→最後に、前もって予約ができるようにしたほうが、お客さんもお願いしやすいと思うので、『店名』『電話番号』『受付時間』も書いておきたいですね。



【変更後看板の文章】

〈例えば〉
◆店頭看板の事例(イタリア料理店のお誕生日特典)
本日お誕生日を迎えれるあなたに
Happy Birthday プレゼント!

お誕生日当日にご来店頂いたお礼に
『ランチセット』か『パスタ1品』
を、私たちがおごらせて頂きます。

その理由は・・・
『日頃のお返し』の感謝の気持ちと
『一緒に祝いたい』喜びの気持ちか
らです。

初めてのお客様も大歓迎です。
保険証・免許証などご持参下さい。
ご予約もできます。『お誕生日』と
言って、こちらまでお電話を!
『店名』『電話番号』『受付時間』




【今回のポイント】

→販売促進のことだけ考えると、『悪いこと』ばかり想像しますが、ここは、日頃のご愛顧の還元という気持ちで考えると、『いいこと』が想像できます。

→人は、『何かをしてもらうと、お返ししたくなる』という心理が働くので、『悪いこと』ばかり想像せずに、試してみることが今回のポイントです。

→日頃のご愛顧の還元とは、簡単に言うと、お客さんへの『お中元やお歳暮』のようなものと考えればイメージしやすいかもしれませんね。

→うまく行けば、この『お誕生日特典』をきっかけとして、貸切りで『お誕生日パーティー』になることも考えられます。

→でも、その前に、『日頃のお礼』が大切です。

→『もらうことばかり』考えるのでなく、『返すこと』を考えるのも大事だと、この店頭看板を見て思いました。



こんな感じです。

店頭看板の書き方はいろいろあります。

納得のいくところだけ、採用いただければありがたいです。


最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則