店頭看板の事例(血液センターの献血のお願い) | 値上げができる店頭看板の考え方・作り方

値上げができる店頭看板の考え方・作り方

もしも今、みんながサボらず一生懸命働いていて、利益が思うように出ていないのだったとしたら、それは単価が低いのが原因です。思い切って値上げをしてみませんか? 店頭看板を通じて、値上げができる考え方をお教えします。

こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。

血液センターさんの『献血のお願い』に関する気になる店頭看板の事例を紹介します。

【現状の店頭看板の書き方】

 
 
 

【コメント】

血液センターさんが、『献血の協力をお願い』している店頭看板です。

このような看板を出すくらい、今、献血をされる方がどんどん減っています。

特に、10代~20代の献血者は、15年前に比べて半分以下になっているようです。

そんな若い世代を含めた多くの方に、呼び掛けています。


この店頭看板を見て、ちょっと気になったので、『日本人の血液型構成比』を調べてみました。

◆A型  40%
◆O型  30%
◆B型  20%
◆AB型 10%

ざっとこんな構成比です。

さらに、全部の血液型のうちRH(+)と(-)の比率は次のようになります。

◆RH(+) 99.5%
◆RH(-)  0.5%

なので、AB型で、RH(-)の血液型の人は、『2000人に1人』しかいない計算です。



話しを戻します。

このようにいろいろな血液型の人に献血をして欲しいので、多くの方に呼び掛けているのでしょうが、ここは、もっと『誰に、呼び掛けているのか?』をハッキリさせた方がいいですね。



ちょっと変更すると、もっとよくなるポイントを、下の流れで説明していきます。

『>』が原文。

『→』が説明文。

『◆』が変更文。




【現状看板の文章】

>献血にご協力お願いします
>春になりますと気候の変化で
>体調をくずされる方や
>新生活のスタートであわただしく
>なり献血をされる方が
>少なくなります。
>輸血用の血液は
>有効期限が短く日々の
>みなさんのご協力が必要です。




→ここで真っ先に考えなければいけないことがあります。

→それは、『献血』という言葉から、イメージされる『痛み』です。

→『献血→注射→痛み→避ける』このような流れが、『献血』からのイメージになります。

→この『痛みの壁』は、強力です。

→『献血』をする度に、この『痛みの壁』を乗り越えなければいけません。

→そう考えると、『初めて献血される方』よりも、『一度、経験されたことがある方』に呼び掛けるほうが、メッセージが届きやすいと考えます。

→しかし、『一度、経験した』とは言え、『痛みの壁』があるのは事実です。

→なので、『痛み』を超える、理由をもっと説明する必要があると思います。

→『なぜ、献血が必要なのか?』この理由次第で、『痛み』を超えることができるのです。

→そして、最後に、『〇〇のために』と行動を促しましょう。




【変更後看板の文章】

〈例えば〉
◆店頭看板の事例(血液センターの献血のお願い)
献血を経験された16歳以上の方に

どうして毎日どこかで繰り返し献血
をお願いしていると思われますか?

実は、輸血用血液は交通事故や手術
に使われることよりも、80%以上
が病気の治療に定期的に使われてい
ます。
しかしその血液には有効期限があり
赤血球で21日間、血小板で4日間
と保存に限りがあるのです。

そのため毎日、継続的な献血が必要
となります。

あなたや同じ仲間の『大切な人』の
ために『あと1回の献血』への協力
をお願いします。




【今回のポイント】

→『どうして毎日どこかで繰り返し献血をお願いしていると思われますか?』このように問い掛けられても、意外とその理由って知らないものです。

→この理由を知るのと知らないのとでは、行動が変わってきます。

→前回の時は、『何となく、献血した』けれど、今回は、『こういう理由で、献血する』となれば、この看板のメッセージが届いたことになるのです。

→なぜなら、今まで『知らなかった常識』が、自分の中に『新しい常識』として生まれるからです。

→『新しい常識』が生まれると、どういうことが頭の中で起こるかと言うと、

→◆『献血しなければいけない』

→◆『献血したい』

→◆『献血しよう』

→となり、一度献血を経験したことがある人なら、『もう1回献血しよう』となるのです。

→また、まだ献血を経験したことがない人も、『そういう理由』なら献血してもいいとなります。

→このように『新しい常識』を教えることで、『行動しよう』と思ってもらうことが今回のポイントです。

→店頭看板は、商品やサービスを売るためだけのツールではありません。

→こちらのメッセージと伝えて、読み手に行動してもらうツールです。

→上手に使って下さいね。



こんな感じです。

店頭看板の書き方はいろいろあります。

納得のいくところだけ、採用いただければありがたいです。


最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則