『割引きは、麻薬と同じ』って本当? | 値上げができる店頭看板の考え方・作り方

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もしも今、みんながサボらず一生懸命働いていて、利益が思うように出ていないのだったとしたら、それは単価が低いのが原因です。思い切って値上げをしてみませんか? 店頭看板を通じて、値上げができる考え方をお教えします。

こんにちは、集客できる店頭看板の販促相談員の伊丹芳則です。



『割引きは、麻薬と同じ』という言葉をご存知でしょうか?


昔から 『割引き』は、一旦手を染めるとなかなか抜け出せないと言われています。

それくらい『割引き』は常習性が強い販促手段です。



なぜ? そうなるのでしょうか?



今日は、その当たりを考えてみたいと思います。


◆『割引き』をやりたくなる理由(その1)

一番目の理由は、『現状、何も変えなくて始められる』からです。

人は、変化を嫌います。

出来るだけ何も変えずに、今のまま続けたいと思っています。

『割引き』は、今までやっている事を何も変えず、価格を下げるだけでよいので、新しく考える事も、新しく変える事も必要ありません。

ただ、今まで通りやっていればいいだけです。

なので、軽い気持ちで簡単に始められます。




◆『割引き』をやりたくなる理由(その2)

二番目の理由は、『すぐに結果が出る』からです。

すぐに売上げを作りたいと思ったら、『割引き』すれば、すぐに結果が得られます。

<例えば>

・今月の目標売上げ額を、残り1週間でどうしても達成したいと思った時

・商品の売れ残りがイヤで、どうしても今日中に売り切ってしまいたい時

・今月の資金繰りの関係で、どうしてもあと100万円必要な時


こんな時、すぐに取り組むのが『割引き』です。

今が苦しいから、早くラクになりたいという気持ちで、何度も手を出してしまいます。




◆『割引き』をやりたくなる理由(その3)

三番目の理由は、これが一番やっかいな理由なんですが、一度やり始めると『なかなか止められなくなる』からです。

仮に、『もう割引きは止めよう』と、一旦止めたとしても、苦しくなってくるとまた手を出してしまうのです。

どうしても、『割引きの魔力』から抜け出せないのが現実です。

もう少し辛抱すれば止められると分っていても、なかなか止められない、とてもやっかいな力を持っています。



まさに、『割引きは、麻薬と同じ性質がある』と言っても、いいくらいです。




また、『割引き』はお店の問題だけでない事が、本当に怖いところです。

お店の都合で始めた『割引きの習慣』が、お客さんに影響を与えて、お客さんも習慣化させてしまうのです。


お客さんに『お店を選ぶ理由』をお聴きすると、大抵、『近くて便利で使いやすい』、『お店の雰囲気がいい』、『暖かい接客が気持ちいい』、『安心できる技術がある』等が上位を占め、『価格の割引き』が上位に来ることはまずありません。


しかし、そんなお客さんに、『次の割引きは、いつなの?』と、質問させてしまうのです。

このようにしたお店の責任は、大きいと思います。




では、そんな割引きからどうすれば抜け出せるのでしょうか?



ハッキリ言って、一度付いた習慣は、なかなか抜け出せません。

覚悟を決めて、時間をかけて変えていくしかないと思います。

早く抜け出そうと、焦って短時間で変わろうとしても、また再発してしまいます。



まず、『割引き』を辛抱して、『薄めていく工夫』から始めましょう。


<例えば>

トップ20%の上得意のお客さんに、『割引きハガキ』を1年間で4回送っているとします。

そうしたら、その4回の『割引きハガキ』を3回にし、新しく3回増やし『お役立ちハガキ』を送るのです。


トップ20%の上得意のお客さんは、どんなハガキを送っても『こんなハガキが来たよ・・・』と、来店してもらえます。

これは、やってもらえば分かると思います。


そして、『お役立ちハガキ』で来店してもらった時は、特に、『お礼ハガキ』で感謝の気持ちを伝えましょう。

短い文章でいいので、手書きで数行の『お礼ハガキ』を送ります。


このような事をつづけると『割引きの習慣』が、だんだん薄まって行きます。


まずは、20%の上得意のお客さんとの関係性を高めて、『来店する理由』や『来店のきっかけ』をシッカリ伝えて、『割引き』しなくても来店してもらえるお店を目指して行きましょう。


お客さんのために、自信を持ってやり続けて見て下さい。

あなたの想いや感謝の気持ちはきっと伝わります。





最後まで読んでいただきありがとうございました。
株式会社アイ・マーケティング  伊丹芳則