今日は、どこでもやっている『ポイントサービス』のお話しです。
お客さんの財布の中には、多くの『ポイントカード』が入っています。
本当に、ポイントサービスって、効果あるのでしょうか?
『他のお店がやっているから』という理由で始めるのは問題がありますが、有効に使えば、強力な販促ツールになります。
例えば、大手コンビニでは、『〇ポイント』や『〇ンタ』や『〇ナコ』などが、よい例です。
どうせ同じ買い物なら、『共通ポイントが、貯まって使えるお店で』というお客さんの心理をうまく掴んで、囲い込んでいます。
なぜ、そういう心理が働くのでしょうか?
お客さんに聞いてみると、『ポイントを貯めるのが楽しい』と多くの方が答えられます。
『どうしてですか?』とさらに聞くと、『貯まったポイントを、気軽に使える楽しみがたまらなくいい』とか。
かしこい使い方は、大きな買い物をする時に『ポイントを貯めて』、細かい買い物の時に『ポイントを使う』ところにコツがあります。
どうやらポイントには、『貯めた達成感』と、『使う満足感』の両方の魅力があるようです。
ポイントサービス』のしくみは、
◆『100円で、1ポイント付与する』
◆『1ポイントを、1円金券として使える』
◆『ポイント還元率1%』前後が多いです。
貯めたポイントを『お金』のようにして使うのですが、それを『共通ポイントの加入店全店』で使えるところに、お客さんのもう一つの『楽しみ』があります。
しかし、このような『大手ブランドの共通ポイントカード』に加入しているお店は少なく、『独自のポイントカード』を『値引き』として使っている場合がほとんどです。
そのお店に『ポイントサービスの目的は?』と聞くと、ほとんどが『売上げを上げるため』『お客さんを集めるため』と答えます。
販促物にも『ポイント2倍キャンペーン』『ポイント5倍の日』『ご新規様300ポイント・プレゼント』等、実質値引きの特典が多く見られます。
これでは、『値引き』に興味のあるお客さんしか、満足させることができません。
お店も『極端な値引きキャンペーン』ばかりしていると、どんどん体力が弱っていきます。
本来、『ポイントサービス』の目的は、『常連客作りと関係性の強化』で、そのための『利益の還元』であるべきです。
確かに、
◆『キャッシュバック』や『〇〇円分の金券』等、『お金に関するもの』への交換に満足するお客さんがいるのも事実です。
しかし、
◆そこでしか手に入らない『オリジナル・グッズ』や『特別な魅力ある限定品』等、『お金に換えられない価値があるモノ』への交換に満足するお客さんもいます。
◆『VIPのような特別な扱い』や『一人一人に合わせた個別対応』等、『特別なお客さんでしか味わえない待遇』への交換に満足するお客さんもいます。
もし『ポイントサービス』の目的が、『常連客作りと関係性の強化』であるならば、もっと『お金以外の価値』と交換できる工夫が必要です。
例えば、
◆500ポイント以上のお客さんに、ご来店時に、『いち押し人気グッズやグルメ等が選べる特典』をプレゼントするとか。
例えば、
◆5000ポイント以上のお客さんに、自宅からお店まで『リムジン』でお迎えに行く『VIP待遇のおもてなし』をするとか。
別に『リムジン』でなくてもいいのです。
そのお客さんが『特別扱い』と感じるものであれば、それをしてあげるだけで『関係性が強化』できます。
『ポイントサービス』を使った『常連客作り』の基本は、下図のように表されます。

(1)まず、『ポイント数』と『最終来店日』で、『常連客』『休眠客』『新規客』『流出客』とお客さんを『グループ分け』します。
(2)そして、常連客は『ポイント数』がいくらで、『最終来店日』がいつまでか、を決めます。
(3)さらに、常連客のなかでも『特別扱いするVIP客』は、『ポイント数』と『最終来店日』をいくらにするか、決めます。
(4)その上で、利用状況に合わせて、グループごとに『A』『B』『C』『D』と対応します。
各グループごとで、『貯めたという達成感』と、『使うことで得られる満足感』の両方が楽しめる、そんな『独自のポイントサービス』を始めてはどうでしょうか?
先ほどの『ポイント2倍キャンペーン』『ポイント5倍の日』『ご新規様300ポイント・プレゼント』等も、『特別扱いするVIP客や常連客』の仕組みを作った上で行えば、『早くポイントを貯めたい』、『多くのポイントを持ち続けたい』と、関係性が強くなるので、とても効果的だと思います。
高性能のPOSレジがなくても、紙のポイントカードで十分対応できます。
もし、今のポイントサービスが値引きだけの特典を続けている場合は注意が必要です。
このまま続けていると、どんどん体力が弱っていきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
株式会社アイ・マーケティング 伊丹芳則