ここに『ひまわりの種』があります。

ひまわりは、荒れ地にも大輪の花を咲かす生命力のある一年草です。
しかし、ただ『種』があるだけでは、何の変化も起こりません。
この『種』に、いろいろな条件が重なるから『芽』が出るのです。

その『条件』とは、土・光・温度・栄養等、そして水です。
人が育てる場合、条件が整った『環境』で、時期を計って種を土に植え、水をやり続けると、やがて『芽』が出てきます。
さらに、大切に育てていくと、明るく、元気で、キレイな花を咲かせることができます。

不思議なことですが、あんな小さな『種』の中に『芽』を出し、花を咲かせる能力が、すでに詰まっているのです。
だから人は、その持っている『能力』を引き出し、いかに上手に育てるかという育て方が問われます。
もし仮に『芽』が出なかった場合、原因は『種』にあるのではなく、育てる側に問題があると考えます。
つまり、すでにある種の能力や、いろいろな条件の環境よりも、自分の育て方が悪かったと素直に認め、次は上手に育てようと思うのです。
ところが、これが職場の部下等の『人』の問題になると、そうはいかないようです。
例えば、もし仮に職場の部下の成果があがらなかった場合。
職場の環境や自分の育て方が悪かったと考える方は、稀です。
むしろ、部下の『意識の甘さ』『能力のなさ』『努力不足』等が悪いと決めつけ、それを改善するために悪戦苦闘することでしょう。

しかし、部下も『種』と同じで芽を出し、花を咲かせる能力、成果をあげる能力をすでに持っていると、考えるとうまく行きます。
つまり、問題は部下にあるのではなく、育てる側にあると考えるのです。
もちろん、原因は部下の行動にあります。
しかし部下の意識や能力が悪いと決めつけた時点で間違った対応になります。
部下の行動に原因があるのなら『正しい行動』になるように、正しく導いてあげればいいだけです。
例えば、先ほどの『ひまわりの種』の例で考えたように。
本来、正しく育てていけば種を植えると、芽が出て、大きくなり、やがて大きな花が咲きます。
それを種を植えても、正しく育てず、花が咲かないのは、『種』が悪いと言っているようなものです。
これでは、たまたま咲くことはあっても、毎年咲かせるのは難しいのです。
しかし、社長さんの中には育てなければならないことは、よくわかっているが、うちにはそんな余裕はないと言って、次から次へと『よい種』を探し続けている方がいます。
でも、いくら探しても『満足いく種』は、なかなか見つからないのが現状です。
ポイントは、『よい種』でなく、『よい育て方』にあります。
まずそう思うことから、はじめると見えるものが変わってきます。
育て方さえ間違わなければ、ひまわりの『種』から『芽』がでるように人も育ちます。
部下に成果があがる『正し育て方』で、キレイな花を咲かせましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
株式会社アイ・マーケティング 伊丹芳則