季節講習会に対する考え方。お金をかせいでこそプロなのか? | 個人塾を自宅で開業、キャンセル待ちにした方法 ~家庭教師から独立・起業~

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現在3年連続キャンセル待ちの塾を運営。独立後11年・業界歴21年。家庭教師から独立・起業。毎月の集客費0円。何もせず問い合わせはほぼ毎週。自立型少人数個別。1教室1人塾。完全週休2日。年3回の長期休暇。労働時間はアルバイト並。収入は自己裁量。出勤時間は10秒。

お金を稼いでこそプロだ、という考え方がある。

 

私も労働者、起業家として、その考えを否定するつもりはないが、教育の場合、その順序を間違えると、道を誤ることにもなりかねない。

 

お金を稼いでこそプロなのか?稼ぎ方は問わない?

夏期講習で合計50万以上の講座提案をするのは、プロなのだろうか?

 

100万の提案をされたという話も聞いたことがある(中学受験生)。

 

他塾から移ってきたある保護者の方が「塾に子どもを人質にとられているようなものだから、請求書を見ても、私たちは何も言えなかった」と言っていたのを思い出す。


うちの月謝が10分の1なのを見て、ビックリしていた。

 

人質にとられていると思われながら仕事したくないよね。

 

さすがに限度はある。

 

教育ビジネスは異常な世界。
 

父親の1か月分の給料と同等の授業料を提案する塾が、世の中普通にある。

 

相手が不幸になっても稼げればいいのか?稼ぎ方は問わない?それがプロ?


断ればいいじゃんって話だが、組織にいるとそうもいかないだろう。

 

 

入塾時にはその講座をご家庭には知らせない

 

社員時代の教室長との会話。

長「新しく講座作ったから、△△日までに○○人誘導して」

私「どんな講座なんですか?」

長「タイトルは決まってるけど、中身はまだできてないんだって。本部決定だから、俺にはどうすることもできない、この前、無理な講座営業してもらったばっかりなのに、本当にスマン。」

業界に不慣れな先生はご存じないかもしれないが、大手塾でこういうことは普通にある。

先生たちは組織にいる以上、従うしかない。

ちなみに本部は現場を見ておらず、生徒の学習レベル、塾内の雰囲気、地域柄による経済状況とか一切無視。

新規集客が見込めない時期は、内部生から搾り取る戦略だった。

 

任意という名の強制


大手の夏期講習の講座・合宿誘導による月謝の見積もりなど、総額20万以上など普通。
 

「講座に参加しないと、ついていけなくなりますよ」

 

大手時代、上記脅し文句を言わざるを得ないシステムは辛かった。

 

任意なのに参加しないと困る。

 

それは、ある意味強制。

 

マスクやワクチンやマイナンバーの構造と似ている。
 

じゃあ最初からカリキュラムに組み込めばいいじゃんと思っていたが、総額を安く見せたい、選択制により自己責任にさせたいなど、色々大人の事情が絡んでいることが分かる。

 

入試直前期にも「これを受講しないと受からない」と脅して、精神的にも経済的にも追い込む。

当然ながら、入塾時にはその講座の存在をご家庭には知らせない。

 

上からは塾生全員に参加させよとの指示。

 

生徒の学力やご家庭の要望は様々だから、特別な講座が必要なのは理解できる。

 

ならば、教えるべき新出事項は平常授業の中で教えきり、講習会は復習だけにして、それを本当に必要としている生徒だけが、必要な単元を選んで受講するのが、本来の形ではないのか?

子ども思いの真面目な保護者ほど、それでも子どものためなると信じて、お金をし払う。※業界事情に詳しい保護者は 本当に必要な講座だけを選択し、塾を上手に利用する
 

 

お金第一主義の塾を半面教師にする

 

このように本部だけが潤い、現場の先生や保護者や生徒は、我慢しているということも少なくない。

現場を知らない本部、売り上げありきの講座。

 

大手はブランドで生徒が集まってしまうので、授業や先生の質、顧客満足度向上は二の次になっている。

 

子どもには裏側の事情など関係ないのだから、ご家庭から高額なお金をいただいている以上、それ以上の価値を提供できるよう講座は全力でやろう、と心に誓って社員時代は授業をしていた。

 

 

休みに長時間勉強するのは当たり前


このような塾で働いていた経験があったから、独立し全て半面教師にすれば、大きな武器になる。

幣塾では反面教師どころか、真逆のシステムにさせてもらった。

 

講習受講の可否をご家庭に判断させない。

 

そもそも講習という仕組みをなくした。

 

長期休暇は学校の授業が止まる絶好の復習期間だから、長時間勉強するのは当たり前。

 

休み前にやるべき勉強内容は生徒と話し、保護者には塾の営業時間、通塾時間等を確認をするくらい。
 

 

 

講習をなくすメリット

 

LINE内の8時は朝8時のこと。

 

長期休暇に生徒が自習時間を延ばすのは、当たり前。

 

受験しない小・中学生も朝から自習にくる。

 

努力を習慣化できている生徒に、特別な講座やコースは必要ない。

 

いかに能動的に考え、行動できる生徒を育てるか。

 

長期休暇中の先生の労働時間は、平常時とほぼ変わらない。

 

すでに入塾前面談とHPで、長期休暇の幣塾の在り方を理解してもらっているから、勝手に自習時間を増やすご家庭が多い。

 

講習をなくすだけで 

 

・提案書等を作る時間 

・講習を申し込ませる時間 

・講習の新規集客に使う時間 

 

などの莫大な時間を減らせた。

 

それらをしていると、講習前に疲れ果ててしまう。

 

資本主義だから、法律に反してなければ、他の稼ぎ方に文句は言えないが、教育に携わる者として、自分の稼ぎ方には美学を持ちたい。


私は脅したり、不安にさせたり、上手いコト言って、まず「稼ぐ」ありきとはなりたくない。

 

今のままだと大変になるという「事実」、そうならないための対処法を伝える。

 

 

プロを感じた経験

過去にプロとは何なのかを感じた経験があるので、1つ紹介。

 

ある日、壊れた洗濯機を修理に来てもらった。
 
修理人はちょっと見た段階で
 
「これはAかBのどちらかが原因ですね。修理の箇所が、Aだと数千円、Bだと1万円前後になります。お時間は1時間程度いただきますが、よろしいでしょうか?」

見事に1時間くらいで修理完了。

「原因箇所はAでした。なぜ故障したかというと…ということなんです。1か月以内でまたトラブルが起こったら、無料で直しに来ます」
 
直す技術もさることながら、経験に基づいた知識による、的確な原因分析。

 

そしてアフターフォローまでの説明もツッコミどころがなく鮮やか。
 
その方にとっては当たり前の経験や知識でも、その分野では素人で、他業種の私からしたら尊敬に値する。

 

 

技術力でお金を稼いでいるプロはカッコいい

私はその修理人の仕事ぶりに、『この人プロだ、カッコいい』と思い、純粋に感動した。
  
まるで幼い子供が仕事で輝いている大人を見て、「将来この職業に就きたい」と目をキラキラさせて憧れている気持ち。
 
どんな職業でも一緒。

 

楽しそうに生き生き仕事をしている姿は、見ているだけで、気分を良くさせてくれる。
 

好きな仕事をして輝いている大人は、それだけでカッコいい。


私自身も日頃からプロ意識を持って仕事に臨んでいるつもり。

だからこそ、プロ意識を持って仕事をしている人を見ると、ファンになってしまう。
 

逆にお金を稼げればいいというバイト感覚の人が多く働く店は腹が立つ。

 

あまりそういう店には行かない。

 

 

技術でお金をいただくことに誇りをもつ

修理代金の内訳をみると、「技術料:5700円」と書いてあった

部品代なんて数百円。技術料が一番高かった。


「技術料」ってカッコよくない?

今の技術に行き着くまでの、その人の努力の結晶である知識や経験等に対する報酬。


改めて、技術でお金をもらえるって、すごいことなんだと感じた実体験。


私は気持ちよくお金を支払えた。

 

我々もそう。

 

ものを売っているわけではない。技術力でお金を稼いでいる。

 

 

先生がお金目当てに適当な授業をしていたら、子どもたちもそれなりの勉強しかしない

教育というものは非常に繊細なもので、子どもたちは、先生の力量や熱の入れ方を本当によく見て、塾の雰囲気を敏感に察知する。
 
先生がお金目当てに適当な授業をしていたら、子どもたちもそれなりの勉強しかしないだろう。
 
個人塾の経営者が指導にあたる場合も同様で、子どもたちの前では、経営者の顔を見せてはいけないと思う。
 

生徒を前にしたときに、先生が仕事であることを忘れて、教育者に徹する。


これはどんなビジネスでも言えるが、お金だけが先に手に入ってしまうと、掲げていた理念とずれが生じ、経営感覚も歪む。
 
教育は高い値段を払うことで、精神的満足を得るブランドものとは違う。

 

 

お金や実績「だけ」のために働かない

お金優先になると、結果として利益主義経営になり、サービスの質は必ず低下し、噂が回って、生徒数が激減し、衰退していった塾を、私は数多く見てきた。

たとえ経営者であろうとも、子どもたちの前で経営者の顔を見せては見抜かれる。
 

だからこそ教育を仕事とする以上、決して忘れてはいけない大原則は

【お金をかせぐために指導するのではなく、全力で指導にあたった結果として、お金はあとからついてくる】ということ。

 

 

月謝を現金後払いにすることで得られるもの

 

私は独立当初は、月謝を後払いでいただいていたが、お金は労働の対価という考えを忘れたくないという思いから。

今でも初月は現金手渡しで月謝をいただいている。

 

手渡しでいただくと、感謝を忘れなくなるし、ご家庭も痛みを伴うため、本気になりやすい。


 

経済的な成功は、後から必ずとついてくる

キレイごとと思われても構わない。

 

私は決してお金や実績「だけ」のために働いているわけではない。
 
私は自分に関わる人を1秒でも多く笑顔・幸せにするために働いている。
 
私は、キレイごとを現実にするのが、教育ビジネスだと思っている。

 

慈善事業ではないから、もちろんサービスとしての対価はいただく。

 

誠実に子どもたちのためを考え、創意工夫しながら指導を続けていけば、経済的な成功は、後から必ずとついてくるものだということは実体験を通して学んだ。
 
 

理想の教育ビジネスを追い求めよう

現在当塾の集客方法は、チラシ等の広告宣伝は一切行っておらず、1円もかけずにブログ、サイトと口コミだけで行い、全ての料金を明確に提示している。
 
私は独立後、個人塾だからといって、授業料を安く見せるような価格競争などはせず、自分の価値を高め、価値を売り出すことで集客してきた。
 
塾を運営するにも一定のお金がかかるし、安くみられたくないから、月謝は決して安くはない。

 
いただいた月謝に見合うだけの指導を全力でさせていただいているつもり。

 

保護者が我々の技術に敬意を払っていただき、我々はその技術におごることなく、知識や技術を高め続け、気持ちよくお金を支払っていただけるような仕事をこれからも追及していこう。

 

 

 

 

 

 

今日もブログをお読みいただきありがとうございました。

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