幣塾は合格実績を公表していない。
それでもキャンセル待ちは作れる。
実績のアピールは進学塾の仕事、我々個人塾のアピールポイントは、100%成績アップと子どもの変化だと思う。
独立後、不合格だった生徒を出したときに、その考えが確信となった。
前提:不合格は失敗ではない
失敗とは「やればできるかもしれないことに挑戦しないこと」を言う。
「失敗は成功のもと」という言葉があるように、本気で目標を目指したことは、その子にとって人生の財産になり、合格よりも不合格から学べることが多い。
その子が本気で努力してきたカッコいい姿は、家族、友達、塾のみんなが知っている。
不合格だとしても、何も恥ずかしいこと、情けないことなどない。
不合格は失敗ではないから。
第一志望に受かったのに、退学する生徒だっている
安易に私立推薦で合格し、入学までに遊びほうけて中学、高校、大学で堕落していく生徒は、毎年少なくない。
ギリギリの成績で志望校に受かり、学校の授業についていくのが精いっぱいで「こんなはずじゃなかった」と感じながら、苦労して通っている生徒もいる。
せっかく第一志望に受かったのに、退学する生徒だっている。
挫折というのは人生を変える大チャンス
事実として、世の中の成功者は必ず挫折を経験している。
あなたも人生上手くいくことばかりではなかったはず。
挫折というのは人生を変える大チャンス。
今後の人生において、この経験を生かし、チャンスをつかむために大事なことは
・自分、他人を責めないこと
・落ちてしまった学校を恨まないこと
・次の目標は必ず達成すると決意すること
・サポートしてくれた家族・環境に感謝すること
・やってきたことに反省をしても、後悔はしないこと
・自分の実力不足、そして不合格という現実を受け止めること
どこに行ったかではない。
行った先で何をし、どれだけ頑張るか。
受験の合否で人生全てが決まるものではない。
その時は落ち込むが、必ず時間が気持ちを軽くしてくれる。
落ち着いたら、進学先で輝く未来を作っていくことだけを考えさせる。
以上の話は受験前にも後にも使えるトーク例。
受験前は覚悟させるため、受験後は慰めるため。
受験少し前の全員の子どもには、不合格の話をしておいたほうがいいと思う。
100%はこの世の中にないから。
今、子どもが健康で元気に生きている。
それが何よりも大切で、尊いこと。受験の合否よりも。
よく頑張りました。
受験後は、こういった言葉は保護者に響く。
人生を変え、幸せになるための不合格
幣塾は合格実績を公表していない。
私は何よりも勉強や受験を通して、本人が成長することを考えているから。
【自分で考え、自分で行動し、自分で責任をとる】
この自立力は、受験の結果よりも、社会に出た際に確実に大きな武器になると考えている。
私が独立後、高校受験で初めて不合格者を出したときの話が今でも印象に残っている。
残念ながら、不合格になってしまったある生徒は、
「受験勉強で人生で初めて本気になった」
「不合格になって初めて、こんなにしんどい思いになった」
と言っていた。
不合格だったからこそ、その反省や後悔で、不合格が分かった後の3、4月も毎日のように塾に来て朝から夜まで長時間勉強しにくる生徒がいた。
「気づくのが遅すぎる」と思う人もいるかもしれない。
しかし、人より本気になるのが遅かったからこそ、自分で気付けた。
不合格という結果は残念だったが、そのおかげで彼は大切なことに気づき、たくさんのギフトを手に入れてくれた。
私立高校入学後も、彼はテスト前は学校に1人残って、テスト勉強をしている。
残念ながら不合格になってしまった教え子の話
彼は挫折を知らなかった。
人生で一度も本気になったことがないから(彼自身が言っていた)。
「勉強はしたくないけど、志望校に受かりたい」というのが彼の口癖だった。
受かりたいのに、ゲームやパソコンが依存になっていてやめられない。
最終的にゲームやパソコンは私が預かったが、預かったら預かったで、そういう子は違う遊びを探すもの。
そしてそれに溺れる毎日(こうなってしまっては大変なので、スマホ・ゲーム依存にはくれぐれもご注意を)。
親も先生も、本当に何度お説教したか分からない。実際に退塾勧告も何度かした。
本人も怠惰な生活の自覚はしていたし、何とかして変わりたいという気持ちがあったから、厳しいことを言われても、くらいついてきた。
そんな彼を私も見捨てず、根気強く指導を続けた。
人生を変え、幸せになるための不合格
夏頃からじわじわとエンジンがかかり始め、本気になったのは受験直前。
毎日のように塾に来て勉強していたが、圧倒的努力不足は明らか、志望校の偏差値は実力より上。
「みんな積み重ねてきてるんだ、不合格を覚悟しろ」ということは伝えていた。
親も本人も不合格だったら仕方ないという覚悟での受験。
当然、私の力不足もあるが、直前にかかったエンジンで合格を勝ち取れるほど、受験は甘くない。
どんな合格率の高い塾の先生でも魔法使いではない。
受験をするのは本人。本人が努力をしなかったら、結果は出ない。
その学校を受けさせないという進路指導をすれば、不合格は避けられた。
でもその子は、その学校にしか行きたくなかった。
塾として、合格率を下げない選択をすることよりも、先生として、可能性は低くても、本人の希望を叶えてあげたかった。
不合格だとしても、本気で目標を目指したことはその子にとって人生の財産になる。
そう考えたので、全力で応援した。
今読み返すと、私の指導にも問題があることは自覚している。
今のシステムなら合格できたかもしれないが結果論。
この記事でも書いたように、「入塾時から志望校を聞いておき、合格点を余裕で超えるように育てる ※あまりにも非現実的な志望校は例外」というのが、ベストの方法だと思う。
こういう言い方をするとその家庭には申し訳ないが、事実として、この経験があったからこそ私も成長でき、理想の塾のシステムにたどり着けた。
感謝は忘れない。
今日もブログをお読みいただきありがとうございました。
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