貴女を守る剣になりましょう…
今ここで この剣に誓います
貴女に対して
永遠の忠誠と愛を…
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◆ ◆ ◆
しばらくふたりは泉を眺めながらさり気ない会話が和やかに続いた。
今日は天気も良く風が爽やかだ。
ふたりだけの時間は緩やかに流れ、とても自然でルクセブルの心の中では、やはり彼女以外には考えられなかった。
その時、ふと
ふたりの会話が止まってお互いの目が合った!
見つめあうふたり…。
そこには確かに時間は流れているのにまるで止まっているかのように風も吹かなかった。
アレクサンドラが〝かぁっ!〟と赤くなり目を逸らそうとした…その時!!
彼女への感情が高まりルクセブルは次の瞬間立ち上がった!
「アレクサンドラ令嬢!」
ルクセブルの声にアレクサンドラはうつむきかけた顔を上げて彼を見た。
ルクセブルは16歳になった時に譲り受けた先代聖剣が生み出した自身の伝説の聖剣を取り出してアレクサンドラの前に跪き、誓った…!
「貴女を守る剣になりましょう… 。今ここで この剣に誓います 。貴女に対して 永遠の忠誠と愛を…。アレクサンドラ令嬢、どうか僕と結婚して下さい!あなたの聡明さ、無邪気に笑う笑顔、豊かな表情や仕草に惚れました。僕と一生を共にして下さい!」
アレクサンドラは突然の事で目をぱちくりさせながらも思わず感激して両手で自身の口元を覆った。
「………!!!! 小侯爵様……!!」
〝初めて会った時に彼の外見に目が離せなかった。整った顔立ちに透き通った青い目。それだけの容姿を持ちながら何故静かに泣いていたのか気になって仕方なかった。次に出会った時な泣いていた素振りが全く感じない好青年だった。だけど話をしてみたらとても気さくで「この人は何にでも一生懸命なんだわ」と思った。衣装から何でも持ち合わせてるはずの高位貴族である事が想像出来たから、好きになっても叶わないと思っていた。何かの間違いで婚約の申し込みがあったのかもしれないと思いながらも、大好きな彼の傍にいられるならと迷わず返事をしたけど、彼も好きでいてくれたなんて…!こんな素敵な奇跡があるなんて…!!〟
優しい風がふたりの間にふいた。
その時間はふたりにとってはとても長く感じた。
「アレクサンドラ令嬢、どうかルクセブルと、…ルク、ルクとお呼び下さい。」
アレクサンドラの手を取ってルクセブルは言った。
極上の優しい微笑みで…。
「そ…そんな、小侯爵様…!」
アレクサンドラはますます顔が赤くなった。
「僕がそう呼んで欲しいのです。先程僕に出会って驚いた時に貴方が言いかけたように…。どうか、お願いです。アレクサンドラ令嬢。」
整った顔立ちで自身の手を取りそっと手の甲に口付けし、上目遣いの視線を向ける目の前の男にそう言われてしまえば誰しもがトキメキを抑えられないだろう。しかもその男にプロポーズされているのだ。自身も好意を寄せているその男に…。胸が高鳴るアレクサンドラ。
恐る恐る
「そ…それではルクセブル様。」
と呼んでみた。
いつも心の中ではそう呼んでいたのだ。
しかしルクセブルはすかさず
「ルクです。」 そう言ってニッコリと笑うルクセブル。
〝ひゃあぁ~~~!ルク様のイジワルぅ~~~!〟
アレクサンドラの心の中は大忙しだった。
顔を真っ赤にしながら目をギュッと瞑って俯いたまま、精一杯声を振り絞った。
「で…では、ルク…さまっ!」
「…!」
二ッとしてから「あはは…!」と笑うルクセブル。
「ひどいですわ、勇気をだしたのにっ。」
「あはは、すみません。僕が少しイジワルしました。あなたがあまりにも可愛すぎるものだから…。」
「もうっ、ルク様ったら!」
「嬉しいです。いずれはその〝様〟も無しでお願いします。」
そう言ってもう一度アレクサンドラの手の甲に軽くキスをした。
アレクサンドラの顔は耳まで真っ赤に染まった。
ルクセブルは自身の言動でアレクサンドラの表情がコロコロ変わるのが嬉しくてたまらなかった。
もっと長くずっとこのままでいたかった。
しかし未婚の令嬢をいつまでも外出させたままにはいかなかったので仕方なく帰ることにした。
「アレクサンドラ令嬢、大変名残惜しいのですが今から帰らねば陽が暮れてしまいます。今日は会えてとても嬉しかった。半月後が待ち遠しいです。」
アレクサンドラの瞳を見てルクセブルはとても残念そうに言う。
「ルク様…。私も残念ですわ。」
今度は俯いてしまった。
アレクサンドラはパッと顔を上げたかと思うとルクセブルに向かって言った。
「ルク様も…!ルク様も私のことをどうかアレンと呼んで頂けますか?」
ルクセブルは不意打ちに顔が即座に赤くなるのを感じて握リ拳を自身の鼻頭に持っていった。
「ア…アレクサンドラ令嬢…!」
「ルク様!」
〝す…、凄く期待されている…!〟
ルクセブルはまさかの反撃にドギマギしている。しかし自身が愛称呼びを迫った手前逃げる事も出来ず…。
「わ、わかりましたっ!アレンっ!」
そんな戸惑うルクセブルを目の当たりにしたアレクサンドラは嬉しい反面、自身も更に顔が真っ赤に染まっていくのであった。
とても初々しいふたりであった。
「アレン、馬車まで送ろう。」
「ありがとうございます。ルク様。」
馬車に向かう途中もふたりは赤くなったりしながら楽しそうに話をしていた。少し離れた所で待機していたアレクサンドラの侍女は、ふたりが何を話しているのかわからないが、見ていて微笑ましく感じでいました。
「すまない、突然時間を取らせてしまったね。」
ルクセブルは侍女に気を利かせてくれた事に感謝を述べた。
「いいえ。アルクレゼ小侯爵様。お嬢様を馬車までお連れ下さりありがとうございました。あんなに幸せそうなお嬢様は初めて見ました。」
侍女は丁寧にお礼を述べて深々とお辞儀をした。
〝流石はアレンの侍女だ。彼女のように人柄の良さが滲み出てる。〟ルクセブルはそう思った。
「それではアレン、半月後に我が邸でお待ちしてます。その日がとても楽しみです。」
「ええ、ルク様。私も楽しみにしておりますわ。」
ルクセブルはそうしてアレクサンドラの乗る馬車を見送ったあと自分も愛馬のカールの場所まで戻った。
「カール!お待たせ!お陰で幸せな時間を過ごせたよ!ありがとう!さあ、家に帰ろう!」
ルクセブルはカールのタテガミをワシャワシャと撫でてから跨り家路へと向かった。
厩舎に着いた時にはもう陽が暮れる所だった。
カールを戻し、自身の部屋へと向かうルクセブル。
廊下で執事と会う。
「遠乗りはいかがでしたか?ルクセブル様。」
「ああ!最高だったよ!」
「それはようございました。夜食の用意もしてございます。いつでも食堂へお越し下さい。」
「わかった。先に湯を浴びてから行くよ。」
「かしこまりました。」
執事はルクセブルの背中を見送った。
どこか楽しそうな様子にほっこりした執事であった。

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