延岡市沖の島野浦島で30日、唯一の小・中学校の離任式があった。式のあと、船で島を去る先生と家族を多くの島民が涙と紙テープで見送った。
この春、島野浦小学校と同中学校では4人ずつが異動。フェリー乗り場では、集まった子どもたちや保護者、お年寄りらが先生らに別れのあいさつをした。
同小3年の山下明莉(あか・り)さん(9)は、担任の横山武志先生(41)の娘で同級生の明香莉(あ・か・り)さん(9)にキャラクターの描かれたタオルを贈った。
6人の3年生の中で、2人だけの女子。明莉さんは「また4月には友達が来るもん」と強がったが、「ずっと寂しがっていました」と母親のあおいさん。船に乗った明香莉さんは、明莉さんたちの紙テープを握りしめ、ずっと泣いていた。
島野浦中バレー部顧問の馬崎大輔先生(26)は部員に「楽しい思い出をありがとう」とあいさつした。2年の佐藤麻也香さん(14)と佐藤桃子さん(14)は「うちらの気持ちを一番に考えてくれる先生でした」。7人の部員は船を追って堤防の先まで走り、姿が見えなくなるまで手を振った。
出典:朝日新聞