木村さんと子タヌキ
ある日、木村さんの畑が動物に食い荒らされてしまったそうです。

そこで木村さんは正体をつきとめるため、罠を仕掛けてみました。
そして、翌日みにいくと犯人が捕らえていました。
それはなんとタヌキでした。
しかも子ダヌキ。
しかも、その近くに母タヌキが、じーっと木村さんのことをみていました。
母タヌキの目はまるで木村さんに「許して」と悲しく頼んでいるような感じでした。
優しい木村さんは子ダヌキを逃がしました。

すると母タヌキが逃げることもなく、木村さんの近くで子ダヌキの傷ついた足を舐めるのです。
しばらくのあいだ親子は動こうとしませんでした。
普通の野生タヌキはさっさと逃げるのですが、タヌキの親子はずっーとそのまま舐め続けました。
木村さんはこの親子を見て申し訳なく思ったそうです。
なぜ、親子は逃げなかったのでしょうか?
私たちは人間目線で物事を見ることに慣れ過ぎています。
人間目線で農業をするときに見がちなのが
「農家にとって作物以外の生き物や雑草は邪魔者」
という考え方です。
人間は山を切り開き、畑として開梱し耕し、農薬を撒き・・・。
もともとそこで生活をしていた動植物たちはどうなってしまったのでしょうか?
元々タヌキの住処であったところに人間が入りこんできて、
自分の土地だと勝手に森を破壊した。
タヌキは被害者なんです!
木村さんはその後、タヌキとの共生を選びます。
売り物にならない虫くいのトウモロコシを畑の横に積んで置いといたそうです。
そうしたら、積んだものは全てなくなり
畑の被害もピタリとなくなったそうです。
これこそ、共存共栄!


