「あんたの夢は、私が叶える」 


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2013年、夏の甲子園。日本中が涙した奇跡の準優勝。その中心には、亡き恋人との固い約束を胸に、たった一人で戦い続けた女子高生の姿があった。
彼女の名前は、牧野直美さん。中学3年の春、2年間想い続けた野球部のエース、藤井将宏(マサヒロ)さんと、ようやく恋人同士になった。彼の夢は「延岡学園に行って、甲子園に出る」。二人は同じ高校に進み、彼がマウンドに立ち、彼女がスタンドから応援する…そんな輝かしい未来を語り合っていた。
しかし、その年の夏、運命はあまりにも残酷な形で二人を引き裂く。将宏さんは、川での不慮の事故により、14歳という若さでこの世を去ってしまう。悲しみのどん底で、彼女は泣きながら書いた10枚の手紙を、彼の棺にそっと入れた。そして、誓った。「あんたの夢は、私が代わりに叶える」と。
彼女は将宏さんの夢だった延岡学園に入学。しかし、野球部は女子マネージャーを募集していなかった。それでも彼女は諦めず、毎日グラウンドに通い詰め、掃除や球拾いをしながら、監督や選手に頭を下げ続けた。時には心無い言葉を浴びせられ、帰り道に一人で泣きながら自転車をこいだ日もあった。
そのひたむきな想いは、やがて周囲の心を動かし、その年の冬、彼女は正式にマネージャーとして迎え入れられた。それから2年半、彼女が書き溜めた反省ノートは9冊にも及んだ。
そして、高校3年生、最後の夏。彼女の想いは、ついに奇跡を起こす。延岡学園は宮崎県大会を制し、甲子園への切符を掴み取ったのだ。甲子園の全試合、彼女は将宏さんとの「交際3ヶ月記念日」にもらったブレスレットを胸のポケットに忍ばせ、彼と共に戦った。
チームは快進撃を続け、決勝の舞台へ。惜しくも準優勝に終わったが、試合後の挨拶でアルプススタンドからの万雷の拍手を浴びた瞬間、彼女は涙でにじむ空を見上げ、心の中で叫んだ。
「マサヒロ、甲子園、楽しかったやろ」
「次の恋は考えられない。いつかどこかで会えると思うから」。そう語った彼女の青春は、天国の彼に捧げた、日本で最も美しく、そして切ない愛の物語として、今も多くの人々の記憶に刻まれている。


※フェイスブックページ「忘れられた真実」より



タカミスキンピール