今日の歴史の一幕
1890年11月20日、帝国ホテルが開業。

煉瓦造り3階建てで70室。
隣接する鹿鳴館と密接な関連を持ったホテルとして井上馨が渋沢栄一と大倉喜八郎の2人を説いて、1888年(明治21年)有限責任帝国ホテル会社(設立当初は有限責任東京ホテル会社)を設立させ建設したものである。
現在は三井不動産が約33%を保有する筆頭株主となった。

有名な逸話ですが、そもそも帝国ホテルは外国の賓客をもてなすために設立されたホテルだったので、経営陣は真っ先に長期間の船旅で溜め込んだ衣類の洗濯を思いつき、その部門の強化を図ってきた。当初は2つの外注業者に委託していたが、1910年(明治43年)に帝国ホテルが初めて館内に洗濯する施設を設置し、ホテルで使用する寝具関係や宿泊客の衣類を洗濯する独自の「洗濯部」を設けた。
現在は白洋舎が従業員の制服を含めホテル内で使用される物全ての洗濯を受け持っている。
帝国ホテルのクリーニングサービスには定評がある。「ホテル内でついた汚れは確実に落とす」方針で、クリーニング部門ではホテル内で使われる食材の詳細を全て把握している。そして「最初からとれていたボタンまでつける」「状況によっては服のボタンを外してからクリーニングする」というのも伝説的なサービス。クリーニング工程の際、紛失・損傷・変質の可能性があるボタンについては、あらかじめ取りはずしておき、客の好みに合わせた柔軟性にするアイロンがけが終わった後に縫い付け直すのである。紛失したボタンに極力似た物を付ける為世界中のボタンを保管している。

これに感激したキアヌ・リーブスが映画『JM』の中で「シャツをクリーニングに出したい、できれば東京の帝国ホテルのやつを」というセリフをアドリブで入れたこともあった。
宿泊客が飛行機でやってくるようになって道中で洗濯物を溜め込むことが無くなった今でも、帝国ホテルに泊まることが決まった客がわざわざ1ヵ月以上前から洗濯物を溜め込んでホテルに持ち込むということもあるという。
なお、帝国ホテルが行うクリーニングは宿泊客限定のサービスであり、部外者によるクリーニングサービスのみの使用は不可である。
因みに、ブッフェスタイルの食事・バイキングは、帝国ホテルが初めて取り入れた。


